【ストーリー】
台湾の田舎町の高校生、コー(クー・チェンドン)は、アホばかりしている落第生。仲間もマタカキというあだ名のリャオ(ツァイ・チャンシエン)、股間を膨らましてばかりのシュー(イエン・ションユー)ら、イケてない連中ばかり。
ところが、学校一の優等生で学級委員のチアイー(ミシェル・チェン)を学校でかばったことから事態は変わっていく。彼女にはグループ全員が惚れていた。その中で、バカだけど根が純真で正義感の強いコーと仲良くなるチアイー。コーも、チアイーに勉強を教えられ、成績を伸ばしていく。2人の距離は徐々に縮まるが、親友以上になかなかなれない。やがて、卒業とともに、別々の街に進学することになる…
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【感想】
まったくノーマークだったのですが、江ノ電の江ノ島駅で予告編が流れていて、心をつかまれて見に行くことにしました。実は江ノ電と台湾の平渓線が相互交流をしており、その一環で、平渓線が印象的な役割をしているこの映画を駅で紹介していたのです。江ノ島駅は「陽だまりの彼女」のPRもしており、日台の切ない映画の競演といったところ。ただ、てっきり勘違いして、見るまでコーが電車の運転士を希望しているのかと思っていました。
前半の高校時代では、非常に下ネタが多いのでひいてしまう人も多いかも。台湾映画なので、露骨なシーンは見せませんが、授業中に一番後ろの席だからといって、下半身を丸出しにするのは、いたずらどころか犯罪では? いくらなんでも幼稚すぎるコーたちに、正直、どこが切ない物語なのか、とがっかりしていました。
大学に入ってもおバカで下ネタが多いところは変わりません。それでも、楽しく輝いていた高校時代から、だんだん、大人への階段を登り始めていくつらさと、遠距離ゆえに通じ合わない2人の気持ちが、自分の若い頃を思い出して懐かしく甘酸っぱく感じました。台湾の人気作家ギデンズ・コー の自伝的小説(監督も本人!)なので、時代は1990年台後半。まだ、新入生には携帯電話が普及していなかったころです。いまのようにケータイでつながってる時代からすると、何とももどかしく、バカバカしいすれ違いでしょうが、それだからこそ、切なく美しくみえるのでしょうね。
2人の純愛も良かったですが、コーの悪友たちとの関係も面白かったです。男子高校生のおバカなグループって、本当に愛おしいし、そのころの純粋な友情って、大人になっても続くもの。みていて、こんな恋愛や友人ができたコーがつくづくうらやましくなりました。また、コーの告白しようかどうしようかという態度が非常に共感できる。今の居心地の良い関係が、自分の一言で壊れてしまうのがすごい怖いんですよね。ブルース・リーにあこがれ、格闘大好きなコーが、こういうところで臆病であり、かつ女の子の気持ちが全然分かっていないのは、見ていて痛かった。やはり、男の子にとって、女の子が一番、わからない謎ですよね。
前半、だらだらとコーたちの関係を描いていたのが、クライマックスで一気に爆発します。なんとも笑えて切ないキス。これは、どういうシチュエーションなのか、実際に見ていただきたいですが、本当によかったなあ。泥臭いのに、監督の登場人物への愛が素直に伝わってきました。やはり、映画はテクニックよりハートなんだと、しみじみ。上質の青春映画でした。
なお、コーたちがドラゴンボールの漫画を崇拝していたり、見ているえっちなDVDが飯島愛だったりと、日本文化が田舎の高校生たちにも浸透しているというのが結構興味深かった。それと、ポニーテールが似合いすぎる女子高生になりきっていたミシェル・チェンって30歳なんだって。うーむ。やはり女は男にとって永遠の謎だ。★★★★(新宿武蔵野館)
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