2020年05月25日

42−世界を変えた男

 大リーグで初めて黒人のプレイヤーとなったジャッキー・ロビンソンと、黒人をプレイヤーにする決断をした球団会長のブランチ・リッキーを描いた物語。信念を貫く男の生き様と、それに感化されて変わっていく周囲の姿は胸が熱くなるでしょう。抑えた描写が続くのに、最後まで画面から目が離せませんでした。

 【ストーリー】
 第二次大戦後のアメリカでは、黒人差別は続いており、白人と黒人が一緒にプロスポーツをすることは事実上禁じられていた。ブルックリン・ドジャースの球団会長ブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、若い頃の苦い経験もあり、黒人選手を獲得することを決意する。選ばれたのが、ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)。

 傘下の3A球団ロイヤルズと契約した彼は1年目から大活躍した。しかし、偏見はぬぐいがたく、脅迫を受けて急きょ宿舎を変えたり、南部の球場ではプロ野球に黒人参加は認めないと、試合が中止になったほど。活躍が認められてメジャー昇格が決まったが、ドジャースナインは黒人と一緒にプレーしたくない、と嘆願書を出すほどだった。しかし、リッキーの信念の強さと、ジャッキーの見事なプレーが次第に壁を乗り越えていく。




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 【感想】
 野球映画にハズレはなしといわれますが、まさにそのとおり。また、ジャッキーの入団(1945年)からメジャー昇格(1947年)までの2年あまりに絞ったことで、伝記映画が陥りがちな散漫な印象を避けることもできました。リッキーがジャッキーを選んだ理由は、彼が勇気と闘志をもっているから。しかし、それは偏見に真正面から立ち向かうのではなく、キリストが右の頬を打たれたら左の頬を差し出すように、やり返さない勇気と強い心を持つこと。もし、ジャッキーが逆ギレしてしまえば、だから黒人はダメだと、その場で黒人を締め出すことが決まったかもしれないですからね。

 それにしても、たった60年前なのに黒人差別のひどいこと。トイレも一緒ではない、チームの定宿からは宿泊拒否されるなど、日常から差別されまくる。象徴的なのが、南部の球場でのシーン。父親に連れられて田舎からきた幼い男の子が、最初はプロ野球の試合を見に来れたことにワクワクしていたのに、父親や周囲の大人が汚い黒人差別のヤジを飛ばしているのを見て、意を決したように自分も汚いヤジをハッスルようになったシーン。差別というのは何らいわれがないのに、周りの汚い姿が純真な子供にも影響させ、それがいつまでも残ってしまう恐ろしさを表していました。

 対照的なのが、黒人の男の子が観戦しに来たシーン。今まで差別されてきた黒人のプレーヤーが試合にでて活躍する。もしかしたら、自分たちもこのようなスターになれるかもしれない。未来に絶望しかなかった黒人の子供がジャッキーをひたむきに応援した気持ちが痛いほど伝わってきます。

 また、試合を必死に戦うジャッキーの姿に、最初は偏見を持っていたチームメートもかんがえを変えていきます。やはり、肌の色よりも仲間だと思う気持ち重要でした。一番差別的だった南部出身の選手が、球場で汚いヤジにさらされたジャッキーの肩をグラウンドで抱きしめることで、グラウンドの上では差別など関係ないと見せるシーンは、実話だそうですが、心にしみいりました。

 冒頭のナレーションで、野球はアメリカの民主主義そのものだ、というセリフが流れます。その言葉を体現し、どんな脅迫にも負けずに信念を曲げなかったリッキー。ジャッキーの心が折れそうになったときは、リッキーの父親のようなどっしりした励ましが彼を支えます。また、ジャッキーの妻、レイチェル(ニコール・ベハリー)の存在も大きかった。信念をもった人がほんのわずかでもいるだけで、世の中の悪習が変わっていくというのが実感できました。ハリソン・フォードが特殊メークをしてまで、頑固な老人を熱演しているのも見もの。★★★★(TOHOシネマズ六本木)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 07:00 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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