2020年05月26日

101回目のプロポーズ

 1991年に武田鉄矢主演で大ヒットしたドラマの中国版リメイク。連続ドラマを2時間弱に落とし込みながら、しっかりとしたストーリーになっており、オリジナルを見た人も見てない人も楽しめます。

 【ストーリー】
 上海の内装業者、黄達(ホァン・ボー)は98回の見合いに失敗し、99回目の見合いにのぞんだが、うまくいきそうもなかった。同じ見合い場所のホテルのレストランで美貌のチェリスト、葉薫(リン・チーリン)も見合いをしていた。しかし、見合い相手は既婚者で、トラブルになりかける。偶然、通りかかった黄達は、彼氏のふりをして、葉薫を助け出した。

 そのことがきっかけで知り合った2人。貧乏で外見もぱっとしない黄達と国際的なチェリストの葉薫は住む世界が違ったが、葉薫の親友の桃子(秦海路)や黄達の部下たちの協力もあり、2人の距離はぐんぐん縮まる。しかし、葉薫はあと一歩を踏み切れない理由があった。3年前、結婚式の当日に婚約者の許卓(高以翔)が事故で行方不明になったのだ。二度と愛する人を失いたくないという彼女に対して、黄達はダンプの前に飛び出して「僕は死にません。あなたを守ります」と誓う。



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 【感想】
 オリジナルのテレビドラマは、放映当時見たきりですが、その後数々のパロディーとなった「僕は死にません」の名台詞やナットの指輪など、日本版を踏襲したところがある一方、現在の中国に翻案したので、一人っ子政策の中国では兄弟はいない(日本版では江口洋介が武田鉄矢の弟役だった)、経済的格差を全面に打ち出しているなどの改変があります。けれども、ドラマスタッフや俳優陣のオリジナルへのリスペクトが伝わってきました。

 自分に自信がなかった冴えない中年男が、心の底から愛する人を見つけて変わっていく。草食男子ばかりが増えた日本ではもう見られないような、しつこいぐらいのアタックですが、純愛が時代や国が変わってもいかに尊く、美しいものかということを実感させられました。最近の日本の恋愛映画って、難病ものが大半の印象がありますが、こういう真正面からの純愛映画もたまには見てみたいなあ。


 「SAY YES」のインストルメンタルがBGMとして流れ、盛り上がるところでは中国語バージョンで流れたというのもうれしいところです。本当はエンディングにチャゲ&飛鳥バージョンが流れるはずだったのですが、飛鳥が週刊誌報道で活動を自粛しているので、流れませんでした。ちょっと残念な気持ちもありますが、本編でたくさん流れているからこれでよかったのかもしれません。

 このほか、オリジナルの主人公だった星野達郎役の武田鉄矢が、達郎役で特別出演していたのもうれしい。葉薫が日本に留学した経験があり、そこで世話になったという設定ですが、あれから20年たっても達郎と薫が幸せな家庭を築いていることが公式に明らかになったわけですから。

 オリジナルとの改変では許卓が弱く、実はいいやつだったというところが挙げられます。映画「卒業」のように、土壇場で花嫁を奪われたり、あるいは悪い人でないのに、主人公に恋人を奪われるような話って、昔は好きではなかったのですよね。でも、自分が年をとったせいか、同情などでつきあってもうまくいかず、地位やお金など関係なく、本当に愛し合った人同士が結ばれるということの美しさ、貴重さというものをしみじみ感じるようになりました。許卓には幸せになって欲しいですね。

 リン・チーリンは40前とは思えない整った美貌。キムタクと共演したドラマ「月の恋人」や「レッドクリフ」ではそんなに印象はなかったのですけど、本作では恋に揺れる女心をよく演じていました。ホァン・ボーは初見の俳優でしたが、武田鉄矢が、ものすごく濃いキャラクターなのに対して、どこにでもいそうな、平凡な中年男になりきっていて、よりストーリーにのめりこむことができました。

 中国では30億円を超える大ヒットになったそうですが、日本ではまったく盛り上がっていません。でも、純愛映画が好きな方や、オリジナルのドラマが気に入っていた方にはぜひおすすめしたい作品です。★★★★(角川シネマ新宿)
【2013年に見た映画の最新記事】
posted by 映画好きパパ at 20:56 | Comment(0) | 2013年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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