【ストーリー】
人の体内では数十兆個の細胞が日夜働いている。新米赤血球の女の子(声・花澤香菜)は方向音痴で、酸素を運ぶ最中に迷子になってしまう。そこへ、体内に肺炎球菌( 吉野裕行)が侵入してくる。体内を守る白血球(前野智昭)たちが現れ、肺炎球菌を退治した。
しかし、生き残った肺炎球菌が逃げ出したことから、白血球は後を追う。一方、赤血球は相変わらず迷子になっている間、偶然、肺炎球菌を発見。白血球に協力して後を追うことになったのだが…
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【感想】
人体のなかが発展した町のようになり、細胞たちは人間の姿をしています。赤血球や白血球も固有名詞がついていなくて番号名で呼ばれます。主役の赤血球の女の子はAE3803、白血球の男性は1146番というように。酸素を運ぶのも段ボールを赤血球たちが運ぶという感じで完全な擬人化。でも、これで理科の勉強もはかどるなら一種の教育的アニメですが、バトルシーンが多すぎて、もっと日常的な要素もみたかった気がします。
赤血球、白血球というようなメジャーな細胞だけでなく、キラーT細胞( 小野大輔)とかマクロファージ(井上喜久子)とか、さまざまな免疫系の細胞も多く登場。血小板が幼児だったり、キラーT細胞になるために過酷な訓練があったり、くしゃみはロケットをとばすようなシーンになったりと工夫を凝らしています。字幕の説明がありますが、一時停止でじっくりみないとわからないほど詳細に書かれており、擬人化しているとはいえ、生物学の知識がふえることうけあいです。
細菌を徹底的に殺したり、もとは普通の細胞だったがん細胞やインフルエンザに感染した細胞を殺すシーンはゾンビ映画のようだけど、実際に体内で起きているわけで、何か感慨深い。特にインフルエンザの回は、現在、新型コロナに苦しんでいる現状からみても、早く免疫系にがんばってほしいと願ってしまいました。
キャラクターの絵も今風の美男美女が多く登場する一方、細菌は一昔前の幼児向け悪役キャラっぽく、細菌を徹底的に殺すという殺伐とした内容を絵柄で薄める効果もお見事でした。オープニング曲も作品にあっており、楽しめます。最終回も一大スペクタクルになっており、ワンクールだれることなく完走できる水準を保っているのもなかなかのものでした。★★★★