【ストーリー】
日露戦争の英雄で、不死身と呼ばれた杉元佐一(声・小林親弘)は、戦死した親友の妻の治療費を得るため北海道の山奥で砂金をとっていた。そこで、出会った酔っ払いの老人後藤(青山穣)から、アイヌの金塊の話を聞く。日本政府に対抗するために集められた金塊を、のっぺら坊(東地宏樹)という凶悪犯がアイヌを殺害して強奪。逮捕されて網走監獄に送られたのっぺら坊は、収監されている囚人たちに金塊の隠し場所を記した入れ墨を彫り、脱獄させたという。
半信半疑だった杉元だが、後藤に襲われてそれが事実だったことを知る。ヒグマに襲われ後藤は死亡、杉本はアイヌの少女アシㇼパ( 白石晴香)に助けられる。金塊が奪われたときアリシバの父ウイルクが殺されたことを知った杉元は、父の仇討と金塊を取り戻したいというアリシバに協力することを約束する。一方、旭川に本拠地を置く陸軍第七師団を陰で動かす鶴見中尉(大塚芳忠)は、金塊を横取りしようとたくらんでいた。かくして杉元、鶴見、脱獄犯たちに北海道独立を狙い、ひそかに生きていた土方歳三(中田譲治)らが入り乱れて、金塊の行方をおうことに。
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【感想】
札幌には3年ほど住んでいましたが、アイヌのことは全然知りませんでした。本作では明治期のアイヌの生活文化、風習などはしっかりとリサーチされており、今や同化が進んでみられなくなってしまった貴重なシーンもあるそうです。アクションエンタメでありながら、そういう歴史的な事象もしっかりと描かれているのは素晴らしいことでしょう。ヒグマをはじめとする自然の脅威への接し方も、令和のいまでは考えられないほどで、制作者のリスペクトを感じます。
また、かつての日本は非常に血なまぐさく、人の命などちり芥のようなものでした。そういう意味でも、非常に多くの血が流れる本作は、フィクションとはいえ当時のよすがをつたえているのかもしれません。前半部分は猟奇的な脱獄囚もふくめてアクション場面も堪能できました。
ただ、このペースで2クール続くと、毎週ならともかく一気見すると結構疲れます。鶴見たち陸軍もそうですし、凶悪犯や土方一派も後半になるとちょっと人外的な能力を発揮しまくって、まあ、伝奇バトルだから許容範囲なんでしょうけど、超人同士の対決になってしまった感じもありおなかいっぱいです。
シリアスハード一辺倒ではなく、鶴見を慕う部下たちの異様さや、アシㇼパが味噌が好きな杉元に、味噌がウンコだと力説するなどギャグパートもあります。このへんの緩急のつけ方は長期連載原作だけあってうまいかな。今年後半に新シリーズがスタートする予定ですが、これまたコロナでどうなるのでしょうか。★★★
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