2020年06月11日

デッド・ドント・ダイ

 緊急事態宣言解除を受け、映画館も再び上映をはじめました。僕自身、約3か月ぶりに英学館で鑑賞しました。今の時勢を考えて、ジム・ジャームッシュのゾンビものを復帰第一作に選びました。

 作品情報 2019年アメリカ映画 監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ビル・マーレイ、アダム・ドライヴァー、ティルダ・スウィントン 上映時間104分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズららぽーと横浜 2020年劇場鑑賞92本目

 【ストーリー】
 警官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィル。そこで不思議な現象が次々と置き、ついに町に1軒しかないダイナーでウエイトレス2人が無残な姿で発見された。

 ロニー巡査(アダム・ドライヴァー)はゾンビの仕業ではとクリフ署長(ビル・マーレイ)に進言。最初は信じなかったクリフだが、墓から死者がよみがえっているのを発見し…



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 【感想】
 ゆるーいゾンビコメディで、ジャームッシュ独特の間合いがあります。なにしろ104分の上映時間のうち、ゾンビパニックになるのは30分程度。それまで、アメリカの田舎町の日常が、なんとも外したテンポで繰り広げれていきます。2人のウエイトレスが襲われるシーンはきっちりとっているとはいえ、かなりゆるゆるで怖さはありません。

 しかも、ロニーにスターウォーズをほめさせたり、ラジオから流れた曲がどっかで聞いてことあるとクリフがいったら、ロニーが主題歌ですからと応えたり、メタ的な発言もしばしば。ゾンビを物質主義の象徴というのはよくいわれますが、本作でも生きているときの記憶が断片的に残っているゾンビが「ブルートゥース」とつぶやきながら動いたりと、かなり露骨にそれをみせています。

 ジャームッシュはこうした風刺の側面でジャンル映画が好きなんでしょう。町の嫌われ者フランク(スティーブ・ブシェミ)に、トランプ大統領のような「Keep America White Again」という帽子をかぶせたり、葬儀屋のゼルダ(ティルダ・スウィントン)がキル・ビルのように日本刀を振り回したり、やりたいことをやっているのをみているとそう思います。

 さらに商業化されたハリウッドへの反発か、物語は非常にシュールに展開していきます。伏線とかは放置。演技派っぽい有名どころをそろえて、これだけ好き勝手出来るのはジャームッシュのようなベテランならではでしょう。でも、スカッとするような映画を観に来たらおお外しでしょうね。賛否両論なのもわかるゆるーさでした。
posted by 映画好きパパ at 07:00 | Comment(2) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。
ようやっと映画自粛解禁ですね!

本作、ジム・ジャームッシュ独特のオフビート感健在でした。
仰る通りゾンビコメディに期待する爽快感は皆無でしたが…w

でもソーシャルディスタンスを確保するために
場内の3/4ほどが空席にさせられていて、
「こんなんで映画館の経営続けていけるのだろうか?」
と心配になりました。
Posted by 西京極 紫 at 2020年06月11日 08:07
コメントありがとうございます。
ジャームッシュの独特の間合いは癖になりそう。
前作は吸血鬼でしたし、こういうジャンルムービーが
好きなのかもしれません。次回作はなんでしょうかね。

映画館は平日の昼だったのでガラガラで数人しかみてませんでした。
大手シネコンは資本力があるからいいですね、ミニシアターは大変
でしょうから映画ファンが応援していきたいですね。
Posted by 映画好きパパ at 2020年06月11日 08:28
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