【ストーリー】
幼いころから妖怪を観る力がある少年、夏目貴志(声・神谷浩史)は、両親を早くなくし親戚の家を転々としたうえ、その力ゆえに周囲から嘘つき呼ばわりされ孤立していた。さらに、妖怪たちから襲われることがしばしばあった。
高校に入った貴志は妖怪に襲われ逃げる途中、巨大な力を斑った妖怪、斑( 井上和彦)が封印された祠を壊してしまう。貴志をみた斑は、「レイコ」ではないかと声をかける。レイコ(小林沙苗)は貴志の祖母で、妖怪たちと勝負をして勝ったら名前を封印する「友人帳」を作っていた。友人帳に封印された妖怪は持ち主のいうことを聞かなければならない。家で友人帳を見つけた貴志は、さらに多くの妖怪たちとかかわることになる。
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【感想】
孤独な少年だった貴志が妖怪たちとの交わりだけでなく、高校に入って彼と分け隔てなく付き合ってくれる友人たちや、自分を子供のように育てくれる藤原夫妻(伊藤栄次、伊藤美紀)の影響もあって、徐々に成長していく姿が何とも心地よいです。
妖怪たちは斑が代表ですが、夏目と仲良くなるものがまずいます。招き猫を依り代とした斑は、普段は顔の大きなデブ猫のような姿になり、普通の人間からもみえます。「にゃんこ先生」と貴志から呼ばれ、貴志の家に住みついた斑は、ボディーガードもつとめることになります。このほか、貴志のことを気にって応援団になってくれる妖艶な女の妖怪ヒノエ(岡村明美)、巨大な馬の顔を持つ三篠(黒田崇矢)、異様な大きな頭に口ひげをはやしているちょびヒゲ(チョー)といったユニークな妖怪たちが、貴志に相談したり、宴会をしたり、時にはピンチを救ってくれたりします。
一方で、貴志のもとを訪れる妖怪のなかには、貴志を殺して友人帳を奪おうとしたり、人間とみるだけで怨念をはなつなど恐ろしいものもあります。基本的に貴志は妖怪と敵対せずに悩みを聞いてあげ、願いをかなえるのに協力しようとしますが、どうしても悪質な妖怪もでてきます。
人間と時の流れが違うため、あえなくなった人間あいたくて寂しくてたまらない妖怪がいたり、人が信仰を忘れてきえゆく里神がいたり、切ない思いをした妖怪や神様もでてきます。一方、中盤からは怪異現象を解決する祓い屋たちも登場し、これまた貴志の友人になったり、逆に貴志をつけねらったりします。いったい、どんな妖怪や妖怪がらみの事件がでてくるのかというのも毎回の楽しみです。
さらに、中学までは孤独だった貴志が、高校に入ってできた友人、西村(木村良平)と北本(菅沼久義)は、貴志の妖怪を見える力を知りませんが、ちょっと変わったところがあるけどいいやつだと接してくれます。さらに、陰陽師の血をひいて貴志の能力を知っている美少女多軌(佐藤利奈)、寺の息子で貴志ほどでないが妖怪を感じることができる田沼(堀江一眞)といった同級生も友人となり、時には怪奇現象にまきこまれつつも、青春を楽しむようになっていきます。
6期で70本以上の作品がつくられていますが、駄作は1本もなく、それぞれ違ったテイストに仕上がっており、毎回わくわくさせられます。人間の心の善良さというものがよくみえてくるといっていいでしょう。いつまでもこのシリーズが続いて行ってもらいたいものです。★★★★★
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