作品情報 2019年インド映画 監督:スジート 出演:プラバース、シュラッダー・カプール、ニール・ニティン・ムケーシュ 上映時間170分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南 2020年劇場鑑賞93本目
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【ストーリー】
インド・ムンバイでは完全犯罪を繰り広げる宝石強盗団が暗躍し、警察を翻弄していた。有能だが女性のため上層部からの評価が低いアムリタ刑事(シュラッダー・カプール)は、新たに結成された秘密捜査チームにいれられる。破天荒なリーダーのアショーク(プラバース)と衝突が多かったが、ついに容疑者の男(ニール・ニティン・ムケーシュ)を特定する。
同じころ、世界最大の犯罪組織、ロイグループのリーダー、ナランタク・ロイ(ジャッキー・シュロフ)が何者かに殺され、組織で跡目争いが起きていた。ロイの2兆ルピーの遺産が消えてしまい、「ブラックボックス」と呼ばれる物質が遺産の行方の唯一の手掛かりだった。この2つの事件が裏で密接につながっていて…
【感想】
序盤から派手なアクションの連続ですが、どこかでみたようなシーンのパワーアップ版かも。例えば、ブラバースがギャングたちに処刑されかけている男を救いにいき、高層アパートの各階に待ち受ける巨漢たちを次々と素手で倒していくのは、ブルース・リーから、トニー・ジャー、マ・ドンソクといったアジアのアクション映画を想起します。でも、さすがアクション映画というのりのりぶり。
さらに、最初は反発していたブラバースとアムリタがどんどん親密になっていくと、化粧品のCMかとみまがうような、美しい湖畔や雪山で2人が脈絡もなく熱い踊りを繰り広げるという、インド映画でおなじみのシーンがでてきます。正直、ストーリーの流れが途中でたちきられるけど2人の官能的なダンスは、バックの風景とあわせてついつい見とれてしまいます。
しかし、ストーリーのほうは、とにかく観客を騙そうとしているのか、混乱させようとしているのか、次から次への展開についていけません。それとともにアクションもどんどんスケールアップ。高層ビルの解体とか、ジェットマンというアイアンマンもどきの空を飛べる敵がでてきたりとか、超大型トレーラーが通行車両をなぎだおしながらのカーチェイスとかとどまるところをしりません。もう、ストーリーを考えずにアクションだけみせればいいや、と制作している感じ。
血の量もたっぷりで、ブラバースが容赦なく敵を殺していくうえ、愛のためになのか、主人公側が警官を殺害していくというダークヒーロー的なところもでてきます。ラストでいちおうどんでん返しがあるのだけど、勧善懲悪ではなくそれこそ現代に神話をよみがえらせたような、善悪を超越したストーリーにしたかったのでしょう。インドでも評論家からの評判は悪かったそうですが、バーフバリにつぐ歴代2位のオープニング記録を樹立。続編もあるそう。正直、深い映画ではないですが、大スクリーンでみるにはふさわしい作品でした。
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