2020年06月23日

ケアニン〜こころに咲く花

 介護従事者の目を通して介護の実情を描いたヒューマン映画。人手不足やトラブル対策といったきつい部分までとらえていますが、登場人物が全員善人というのはユートピアのようです。

 作品情報 2020年日本映画 監督:鈴木浩介 出演:戸塚純貴、島かおり、綿引勝彦 上映時間101分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネリーブル池袋 2020年劇場鑑賞96本目

 【ストーリー】
 介護士の大森圭(戸塚純貴)は小規模施設から大規模の特別養護老人ホームに転職した。だが、一人ひとりの状態に応じてケアできた小規模施設と違い、大規模施設は効率が最優先。圭は仕事が遅いと上司の秋元(中島ひろ子)から叱れる毎日だ。

 ある日、認知症の女性、木下美重子(島かおり)が入所してきた。夫の達郎(綿引勝彦)は老々介護をしていたが限界がきたのだ。達郎は効率優先のホームで美恵子がないがしろにされてるように思い、担当の大森に怒りをぶつける。



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 【感想】
 人間、年を取ってまで生きる必要はあるのか、少なくても自分はここまで長生きしなくてもいいな、というふうにかねがね思っています。本作では認知症になっても木下夫婦の互いに想いあう情景を重ねており、認知症の人でもしっかりと生きていることを伝えたかったのでしょう。

 また、入居者一人ひとりに寄り添おうとするのは、大森だけでなく、厳しい秋元や経営第一のホームの理事長(小野寺昭)も一緒だということが、物語を通じて次第に明らかになっていきます。そんな思いも世界有数の高齢者大国ニッポンの現状では、なかなか通じません。介護される人があまりにも多すぎるからです。

 けれども、大森は初心を忘れられません。たった一人の介護士(ケアニン)では制度や社会を変えることなど不可能です。それでも、自分ができる、目の前の要介護者に向き合うこと。これを徹底した大森の姿勢に、周囲も感化されていきます。また、最初はホームとぎくしゃくしていた家族にも、そんな大森の気持ちが伝わっていきます。非常にゆったりとしたハートウォーミングなストーリーは、実際に介護現場がこんなふうな状態だったらいいのにと思わされます。

 ただ、僕自身、在宅介護をしていて、こういう理想的な介護が現状、どれだけ大変なのか実感しています。やはり長生きはいいのかという疑問は解消されませんでした、でも、一つの介護のあるべき姿として、多くの人に見てもらいたい作品だと思いました。

 ケアニンシリーズの2作目だそうですが、前作は未見。ただし、同じ世界観の「ピア まちをつなぐもの」に出演した細田善彦、松本若菜らがカメオ出演しています。主演の戸塚は割と癖のある役でドラマや映画に出まくってますが、本作ではどこにでもいそうな平凡で、理想と現実にもがきながらも前に進もうという青年を好演。このシリーズをまだまだ続けてほしいと思わせる演技をしていました。
posted by 映画好きパパ at 06:43 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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