2020年07月13日

ハーモニー 心をつなぐ歌

 泣かせる映画は、やはり韓国映画が一番うまい。「ハーモニー」も本当に泣けるし、あざとさはなく、スムーズにみられる素晴らしい作品。もしかすると、今まで見た中で一番泣けた作品かも。ただ、すっきりと泣ける分だけ、あとに残るものは軽いような気もします。

 【ストーリー】
 韓国では、女囚が刑務所で出産した場合は、生後18カ月まで母親が獄中で育てることができる。お腹の赤ちゃんを守るため、DVの夫を殺して懲役10年の判決を受けたジョンヘ(キム・ユンジン)は、獄中で男の子を出産。同房の囚人たちや、コン看守(イ・ダヒ)の協力を得て、最愛の息子ミヌと幸せに暮らしていた。

 ある日、慰問にやってきた合唱団に感動したジョンヘは、囚人たちによる合唱団を作ろうと提案。年老いた音楽教師で死刑囚のムノク(ナ・ムニ)をリーダーに、コンや同房の囚人を巻き込んで練習を始める。それは、ミヌと別れる前にある思い出を作るためだった。しかし、刑務所の厳しいパン課長(チャン・ヨンナム)は囚人たちが集まることに反対する。さらに、難題が次々と降りかかってきて・・・





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 【感想】
 単に泣けるだけでなく、序盤は笑わせてくれるし、ミヌのかわいさに心がほっこりなごむ。特にミヌは、もちろん撮影で良いタイミングをみつけているのだろうけど、天才的な演技をみせてくれた。たとえば、養父に性的虐待され、実母に裏切られ、心に深い傷を負ったユミ(カン・イェウォン)が、刑務所で一人ポツンと座ってると、とことこと歩いていって、抱きついてくれる。うちの1歳の娘も、とことこ歩いて抱きつくというのはよくやるのだけど、それを、孤独な人をみぬいて、「大丈夫だよ」と抱きしめてくれる赤ちゃんというのは、まさに天使のような存在。それでいて、ミヌが苦手なのは音痴なジョンヘの歌というのが笑わせどころ。

 そのジョンヘが合唱団を結成しようと決心してから、山あり谷ありを乗り越えていくのは、この手の映画の王道だけど、モンタージュをうまく使っていて、「スウィングガールズ」のような壮快感もある。刑務所長やパン課長の前で初めてのコンサートを成功させたときには、ノリノリの曲で、こちらもスイングしたくなるほど。

 うまいのが、ジョンヘだけでなく、ムノク、ユミといった同房の囚人の家庭の事情もうまく絡めているところ。犯罪を犯してしまったが、根っからの悪人ではなく、やむをえない事情だったり、ついかっとしてしまったり、その一線を越えなければどこにでもいそうな囚人ばかり。けれども、一線を越えてしまったため、世間からは悪人呼ばわりされ、家族と離ればなれにならなければならず、自分の心にも深い傷を負う。そうした彼女たちを歌とミヌが柔らかく包んでくれる。

 そして、中盤以降がこちらの感情にたたみかけてくる話が怒濤のように続いていく。それぞれの囚人にそれぞれのドラマがあり、みんな心にしみいるような話なのだ。うまいなあ、と思ったのが、囚人たちに冷たくあたっていたパン課長の真意が分かったとき。彼女のきりっとした表情も含めて、ああ、こういうことってあるよな、と共感してしまいました。

 忘れてはいけないのは、合唱団が取り上げる名曲の数々。「ダニーボーイ」など日本でもおなじみの曲があるほか、韓国語の歌も、訳詞がうまいのか、そのときの心情にあうものばかり。体がうきうき動くものから、涙がでそうになるしっとりとした曲までバランスよく選んでいます。音楽映画としても一級品。ここまでウェルメイドに作っている以上、重みを求めるのは難しいのだけど、それがないことだけが欠点かな。でも、泣きたい気分のときには、この映画をみれば、泣けるでしょう。★★★★(川崎チネチッタ)
posted by 映画好きパパ at 21:15 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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