2020年07月27日

再会の食卓

 激動の中国現代史のなかで引き裂かれた夫婦の物語。ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞した秀作なのだけど、非常に淡々と長回しを多用してとっており、ちょっと意識が飛びそうになってしまいました。ただ、愛とは何かについて、真剣に考えさせられる作品かも。

 【ストーリー】
 1949年の中国内戦で国民党は共産党に破れて台湾へ逃げた。国民党兵士の中には家族を中国に置き去りにせざるをえなかったものもいた。ユィアー(リサ・ルー)もお腹に赤ちゃんを抱えながら、夫のリュウ(リン・フォン)とはぐれて、上海にとどまった。それから数十年。再婚した夫のルー(シュー・ツァイゲン)や子供、孫と貧しいながらも暮らす彼女のもとに、リュウから手紙が届いた。中国と台湾の交流の一環として、上海にやってくるというのだ。

 思いがけない客人にとまどいながらも、一家はリュウをもてなす。やがて、台湾で成功したというリュウは、ユィアーを台湾に連れて帰りたいと提案した。





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 【感想】
 中国と台湾の間で、こういう問題が起きてるとはついぞ知りませんでした。中国に残されたユィアーは、敵の妻だということで、大変な苦労を乗り越えてきた。文革時代は命の危険を感じたという。それを支えたのはルーで、彼はそのために地位も名誉も失ってしまった。

 ところが、この話の奥が深いのは、ユィアーは今でもリュウのことが忘れられず、ルーには感謝こそすれ、愛情がないとはっきりいってしまう。愛情がすべてに勝るというのはごく最近の価値観だけど、何十年も連れ添って子や孫もいるのに、やはり、愛した人は大昔に別れた人ただ一人というのが、人間の業ということを感じてしまう。

 さらに、ルーはそんな2人を許して、リュウと義兄弟になるのを受け入れる。これは、子供や孫だけでなく、観客の僕らにも、理解しがたいところなのだけど、物語が進むに連れて、彼の心理がさりげなく説明されていくというのは、うまい脚本。男に生まれることのつらさ、というのは、同じ男として、激しく共感しました。そして、家族のきずなというものも、どんなものか、孫娘のナナ(モニカ・モー)をうまくつかって描いている。クライマックスをへて提示されるエピローグがなんともいえず大人の映画といった感じ。

 タイトルに「食卓」とあるように、遠来の客を招いての食卓は、貧しいながらも精いっぱいの工夫を示しているし、酒や歌など宴会ならではの楽しみもある。その一方で、なんともさみしい食事というのもあるわけで。出てくる中華料理は家庭料理がメインだけど、食べることのの大切さも考えさせられました。★★★★(TOHOシネマズシャンテ)
posted by 映画好きパパ at 21:21 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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