2020年07月28日

ヒア アフター

 わかりやすい作品が多いイーストウッド監督なのに枯れた作品を作ったな、というのが第一印象。受け手の想像力に任せるところも多い。死後の世界という、一歩間違えれば際物の世界を扱うのだから、こういう手法なのかもしれません。拒絶反応を示した人が多いのは、やはり、こういうテーマを真剣にとりあげることを拒否している人が多いということなのかも。

 【ストーリー】
 フランスのキャスター、マリー(セシル・ドゥ・フランス)は、バカンス先の東南アジアの海岸で津波におぼれ、臨死体験をする。それ以来、不思議な光景をみるようになった。

 サンフランシスコに住むジョージ(マット・デイモン)は死者と会話する霊能力があり、以前は霊能力者として活躍したが、死者との対話が嫌になり、霊能力を隠して工員として働いている。だが、他人と仲良くなろうとしても霊能力によって相手の過去などを知ってしまい、他人と触れあうことができなかった。

 ロンドンの少年、マーカス(ジョージ・マクラレン)は、双子の兄ジェイソンを事故で亡くしてしまい、それ以来立ち直れなかった。彼はジェイソンにもう一度会いたいと、霊能力に関心を持つようになった。





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 【感想】
 米国では死後の世界の価値観が日本とかなり違うそうだけど、死んだ人の霊魂が、生きている人を見守っているという、この映画の死後の世界は東洋的な価値観のように思えてならない。だから、僕らにとっては受け入れやすい概念だけど、米国では不評だったのだろう。僕自身も、登場人物たちの考えが腑に落ちた。

 冒頭の大津波のシーンなどのパニックシーンをあえていれているのは、全体を通じた、落ち着いた映画にアクセントをつけるためだと思う。その冒頭のシーンがインパクトがあったので、残りの暗い落ち着いたトーンも飽きずに最後までみられた。同時に、この登場人物の過去になにがあったのだろうかと、想像力を張り巡らせることも。

 この映画は死後の世界そのものを描いているのではなく、死後の世界という考えにとりつかれた人たちの生き様を描いているので、ホラー映画とは見事に一線を画している。また、ラストは、ある意味「インセプション」よりも意味深なもので、解釈も分かれているみたいだが、落ち着くところに落ち着いた感じで、さすがイーストウッドといったところ。

 個人的には中盤のレストラン教室のシーンが好き。こういうのをみると、本当に東洋の感覚とあうよなあと思いました。マット・デイモンの渋さはいいけれど、「ハイテンション」のセシル・ドゥ・フランスが、こういう演技をするとは思いませんでした。死後の世界とか、際物でなく、でも、深く入り込まず考えるには良い映画ではないでしょうか。★★★★(TOHOシネマズららぽーと横浜)

*東日本大震災の少し前に鑑賞しました。冒頭に津波シーンがあるため3月11日で上映中止になり、DVDの売り上げの一部は震災への義援金に寄付されたそうです。
posted by 映画好きパパ at 21:28 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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