2020年08月07日

プラド美術館 驚異のコレクション

 世界屈指の所蔵品を誇るスペイン・プラド美術館。中世〜近世の作品を中心にスペインの歴史、風土まで紹介したノンフィクション。コロナで海外旅行がいつ再開できるかわからないなか、スクリーンでスペインへの旅としゃれこむのも乙なものです。

  作品情報 2019年イタリア、スペイン映画ノンフィクション 監督:ヴァレリア・パリージ 出演:ジェレミー・アイアンズ 上映時間92分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2020年劇場鑑賞137本目



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 【ストーリー、感想】
 歴代のスペイン王室が収集した美術品を誇るプラド美術館。開館は300年前の1819年ですが、15世紀末にスペイン王朝ができたころから歴代の王、女王は美術品を愛します。ゴヤ、ベラスケスといったスペインの画家はもちろん、当時領土だったフランドルやナポリを通じて、レンブラント、ラファエロといった画家も保護しました。

 当初は、宗教的な題材がメインでしたが、僕もしらなかったのは裸体を書いても許されるのは宗教画だけだったそう。ラテン系の人は男女を問わず肉体美も美として鑑賞していたことから、裸体画が多く残されているそうです。一方、近代になるとナポレオンの侵略といった政治的テーマも絵の題材となりました。数は少ないけれど女流画家もいました。そうした絵画をめぐる背景もきちんと説明されます。

 ジェレミー・アイアンズが案内を務めますが、館長をはじめとする美術館の幹部、女優、舞踊家といったスペインの芸術家らがお気に入りの絵を取り上げ、思いを伝えます。単なる美術鑑賞会でなくて、美術品への思いがいかに強いかが浮き彫りになります。

 20世紀前半に民主化されたとき、美術館所蔵品の模写が全国を巡回し、地方の人にも美術の良さを伝えて回りました。館長をつとめたことのあるピカソの「芸術は日々の生活で魂にたまった埃を洗い流してくれる」という言葉が、今もスペインの人に浸透していることがよくわかります。

 僕自身は美術のことがあまりよくわかりませんし、スペインにもいったことがありません。でも、これだけ丁寧に解説され、絵への思いが伝えられると、芸術というのはやはり素晴らしいと思ったし、いつかはスペインにいって美術館を訪問したくなりました。映画でできる世界の旅もいいですよね。
posted by 映画好きパパ at 06:53 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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