2020年08月08日

ブレスレット 鏡の中の私

 フランスの法廷ミステリー。思春期の親子の関係の難しさは怖いものがあります。ラストの解釈はわかれるでしょうね。

  作品情報 2019年フランス、ベルギー映画 監督:ステファヌ・ドゥムースティエ 出演:ロシュディ・ゼム、メリッサ・ゲルス、キアラ・マストロヤンニ 上映時間95分 評価★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2020年劇場鑑賞138本目 



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 【ストーリー】
 16歳の少女リーズ(メリッサ・ゲルス)は親友のフローラを殺害した容疑で逮捕される。本人は犯行を否認し、物証も乏しい中、リーズの両親(ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ)は娘の無罪を信じる。

 だが、娘との関係はよそよそしくなり、彼女が何を考えているのかわからなく戸惑うように。さらに裁判が始まると、次々に新しい証拠や証言がでてきて…

 【感想】
 幼いころは親に何でも話す素直な娘。それが思春期と共に次第に秘密を持つようになるのはよくあることです。ただ、性に早熟なフランスだからかそれともリーズという特徴的な女性だからというのがよくわからないし、日本の親娘関係とはちょっと距離があるような気もします。それでも、特に父親の焦燥感というのはなんとなく伝わってきました。

 撮影はただ現状を切り取るだけで回想シーンや、登場人物が内面を見るシーンが一切ありません。両親の感情は比較的わかりやすいだけに、リーズが何を考えていて、本心はどう思っているのか。そもそも犯人なのかについては、両親や裁判官同様、観客も知るすべはありません。ラストに特徴的な行動をとるのですけど、それも見る人によって違ってくるし、ミステリーですけど犯人あててすっきりという作品ではないので、なんとももやります。

 また、フランスの司法制度の違いもよくわかりません。裁判には検察官とリーズの弁護士だけでなく、被害者の弁護士も登場して尋問をします。また、日本では法廷では非公開になるような未成年の性的な映像も傍聴人の前で堂々とみせます。何よりも女性検察官(アナイス・ドゥムースティエ)の法廷戦術が下手。これだけ物証がなく、自供もないうえ、状況証拠がないのに起訴するというのは日本ではまずおめにかかれないのではないでしょうか。

 裁判で判決はでますが、それが真実かどうかは見る人しだい。でもそのことよりも、自分の愛娘が何を考えているのかわからないモンスターになってしまった両親のほうが、罪もたいしてないのに重い罰を突きつけられているようで、ちょっとかわいそうになりました。まあ、親子などしょせんそんなものなのかもしれないというのも、個人主義が強いフランスらしい映画でした。
posted by 映画好きパパ at 07:18 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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