2020年08月09日

君が世界の始まり

 大阪郊外の町を舞台にした高校生6人の青春群像劇。大阪郊外でもこんなに閉塞感があるのかということと今時の高校生もブルーハーツを聞くのかというのがちょっと驚きました。

  作品情報 2020年日本映画 監督:ふくだももこ 出演:松本穂香、中田青渚、片山友希 上映時間115分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞139本目 



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 【ストーリー】
 大阪郊外に住む高校2年生たち。優等生の縁(松本穂香)は、幼馴染の不良少女で男をとっかえひっかえする琴子(中田青渚)が大の親友だ。琴子はサッカー部の業平(小室ぺい)に一目ぼれし、業平一筋に切り替える。だが、帰り道に業平と会った縁は彼からある秘密を打ち明けられる。

 サッカー部主将で業平の親友の岡田(甲斐翔真)は琴子を好きになるが相手にされず、縁に相談する。クラスメイトの純(片山友希)はショッピングモールで転校生の伊尾(金子大地)のある行動をみてしまったことからなんとなく体の関係が始まってしまう…

 【感想】
 閉鎖的な町で、親、学校という自分ではどうしようもないことがあり、鬱々とした日々を送る高校生たち。思春期というのはそういうものなのかもしれないし、客観的にみればたいしたことがないかもしれないけれど、当事者たちの心の叫びというのがストレートに伝わってきます。ショッピングモールという舞台をうまくつかっているのも、今の高校生たちをあらわしているようでいい。

 ただ、原作、監督が女性というのがあるかもしれないけれど、女性3人がそれぞれ心理的にも行動そのものも、観客からみて納得、共感しうる感じなのに、男性3人は何となくさえません。中田、片山の体当たりでフレッシュな演技と、松本の上手く内部でくすぶっているような雰囲気をみてしまうと、どうしても女優達のほうに目がいってしまいます。片山の曲者的な演技はここで思い切り花開いたし、ミスミソウなどいじめ役が印象だった中田も、イメージを一新できたのではないでしょうか。

 ブルーハーツもうっぷんをはらすという意味では分かりやすいけれど、カセットテープダイアリーズという秀作をみてしまうと、なぜブルーハーツなのか、こういう使い方にどういう意味があるのかとちょっと引いてしまうですよね。そういえば脚本の向井康介はやはりブルーハーツをモチーフにした「リンダリンダリンダ」の脚本も手掛けていますが、一定の年代にならないとブルーハーツははまらないような気がしてなりませんでした。

 癖があるとはいえ、とんがった青春はこういうものかというのは伝わってきます。江口のりこ、古舘寛治といった、いかにもサブカルっぽい大人が親の役をしていますし、大阪が舞台らしくお好み焼きがいっぱいでてくるのも、土臭さを感じさせて効果的でした。
posted by 映画好きパパ at 07:17 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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