作品情報 2019年ポルトガル 、アメリカ、 マレーシア映画 監督:リチャード・スタンリー 出演:ニコラス・ケイジ、ジョエリー・リチャードソン、マデリン・アーサー 上映時間111分 評価★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞141本目
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【ストーリー】
アメリカ北東部の小さな町アーカム。その奥の人里離れた森林で農場を営むガードナー一家は平穏な生活を送っていた。ところが、ある日雷鳴とともに隕石が庭に落ちてきて、ピンクとも紫ともつかない不思議な色に包まれる。
その日から次々と不思議なことが起きる。庭の作物は異様な形になり、電話やWIFIは異音が入り、通じにくくなる。主人のネイサン(ニコラス・ケイジ)の腕には湿疹ができ、妻のテレサ(ジョエリー・リチャードソン)は怒りっぽくなる。そして、幼い子どものジャック(ジュリアン・ヒリアード)は、井戸の中にいる何者かと話しだすのだが…
【感想】
19世紀が舞台だったラヴクラフトの原作を現代に翻案しました。独特の神話体系を「クトゥルフ神話」を作り上げたラヴクラフトの世界観をうまくいかしています。アーカムもラヴクラフトの小説にでてくる架空の町です。また、一家の長女ラヴィニア(マデリン・アーサー)は異教崇拝にはまっており、これまたラヴクラフト世界ではおなじみの魔導書、「ネクロノミコン」も持っています。というか、こんな普通の少女なのにネクロノミコンをもっている時点でぶっとんでいますが、ラヴクラフトファンなら思わずニマニマしてしまう小道具がちこちにちりばめられています。
ラヴクラフトの小説の多くは、怪現象が起きるけどその原因となる邪神や宇宙人はとても人間の手に負えず、事態が悪化していくことをなすすべなく見守るしかないというもの。本作でもニコラス・ケイジが何とか事態を改善しようとしても何にもできずに、ひたすら事態は悪化していきます。ケイジが全力の変顔ともいえるような演技で、取り乱したり、立ち向かおうとする姿はこの映画の見どころでしょう。特に、奇形に育ったトマトにかぶりついて吐き捨てる場面は、これを演じられるのは彼しかいないと思えるほど。
そして、地球上の色でない不思議な色がどんどん平和を侵食していく様子は、カラーがしっかり堪能できる大スクリーンならではの良さです。一家に協力しつつも無力な科学者ウォード(エリオット・ナイト)の存在は、所詮、地球の科学などでは、この狂った色に代表される未知の存在にはかなわないという感じでした。
ただ、ラヴクラフトファンなら面白いでしょうけど、ホラー映画として見た場合、新鮮さはありません。まあ、今のホラー映画の源流の一つにラヴクラフトがあるので、古めかしさはしょうがないのかも。それでも、ラヴクラフトにニコラス・ケイジの食い合わせは、ホラーマニアなら要チェックといえましょう。
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仲が悪かった家族も最後は仲良くなれてメデタシ、メデタシ…ですよね?
家族が仲良しというのはペットセメタリーとか最近の
ホラーではちょくちょくあるような感じです。