作品情報 2019年スウェーデン映画 監督:ツヴァ・ノヴォトニー 出演:ペルニラ・アウグスト、アンデシュ・モッスリング、ペーター・ハーバー 上映時間97分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞145本目
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【ストーリー】
63歳の主婦、ブリット=マリー(ペルニラ・アウグスト)は結婚して40年。毎日、決まり切った家事を完璧にこなしていた。ところが、夫のケント(ペーター・ハーバー)が心臓発作で倒れ、入院先の病院で愛人と遭遇してしまう。夫の浮気に自分の人生が崩れるようなショックを受け、スーツケース一つをもって家を飛び出す。
だが63歳で働いた経験もない彼女にできる仕事はなかなかない。ようやく見つけたのは田舎の村ボリのユースセンターの管理人。しかも、地元の少年サッカーチームのコーチをしなければならず、サッカー経験のない彼女は、やんちゃな子供たちの指導に手を焼くのだが…
【感想】
北欧というと女性の自立が進んでいる印象もありましたが、ケントは典型的な亭主関白。家事をやるのは妻の仕事で、自分は服をぬぎっぱなし。食事をつくってもらっても感謝の言葉一つありません。夫婦の会話もほとんどなく、日本の昭和の老夫婦みたい。ブリット=マリーが家事が完璧な理由が後半、明らかになりますが、それなのに冷たいうえ、浮気までする夫に、男というものは…とあきれてしまいます。
ボリについたブリット=マリーの前に現れた7人の個性ある子供たち。スウェーデンの田舎なのに黒人が多く、黒人の女の子のヴェガ(ステラ・オヨゴ・ベニステン)がリーダー的というのは現代的ですが、みんな元気いっぱいだけど、基本的には素直な子どもばかり。サッカーが大好きなのに下手ばかりで、試合に勝つどころか、得点したこともないありさま。
最初はそんな子供たちにどう接すればいいかわからず、規律を押し付けようとしたブリット=マリー。でも、それは家庭で夫にいろいろ押し付けられたことと変わらないことに気づきます。町の警官のスヴェン(アンデシュ・モッスリング)や、目が悪くなってサッカーを断念した元女性選手のバンク(マーリン・レヴァノン)といった周囲の支えもあり、子供たちに寄り添うことが、子供たちの自立につながると気づきます。そして、それを自分がやることで、単なる家事ロボットでなくなることも。
アメリカ映画や邦画だったらもっとメリハリがきいて一直線にストーリーがすすんでみやすかったかもしれません。でもブリット=マリーの迷いも含めて、ふらふらしながら進むというのが人生というもの。スウェーデンの大女優、ペルニラ・アウグストの方の力を抜いたとぼけた演技もよく、気軽に見られる作品です。
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