2020年08月16日

ブラック アンド ブルー

 ニューオリンズを舞台に、汚名を着せられた黒人女性警官の必死のサバイバル劇。シリアスなサスペンスで、黒人差別や警官のありかたといった今風のテーマを盛り込んでいます。

  作品情報 2019年アメリカ映画 監督:デオン・テイラー 出演:ナオミ・ハリス、タイリース・ギブソン、フランク・グリロ 上映時間108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマみなとみらい 2020年劇場鑑賞146本目

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 【ストーリー】
 アフガンから故郷のニューオリンズに戻ってきた退役軍人のアリシア・ウエスト(ナオミ・ハリス)は警官になる。だが、貧困地域出身の彼女が警官になったことで、幼馴染のミッシー(ナフィサ・ウィリアムズ)らは裏切り者扱いする。夜勤の人間が足りなくなり、急遽、出勤したアリシアは、悪徳刑事のマローン(フランク・グリロ)らが、悪事の口封じのため、ギャングの幹部を射殺しているのを目撃。ボディカムで撮影してしまう。

 マローンらは目撃者のアリシアを殺そうとして発砲。アリシアは傷を負う。逃走したアリシアは付近の住民に助けを求めるが、トラブルを恐れてだれも助けようとしない。唯一、助けたのがアリシアの昔なじみでスーパーの夜勤をしていたマイロ(タイリース・ギブソン)だった。一方、マローンはギャング幹部殺害の犯人はアリシアだとして指名手配。同時にギャングのボスのダリウス(マイク・コルター)にも、アリシアが殺人犯のため、敵を討つようそそのかす。警察とギャング、双方から追われるアリシアは…

 【感想】
 ハリケーンの傷跡がいえないニューオリンズ。富めるものは町を飛び出し、残されたのは貧しい行き場のないもので犯罪率もはねあがる。貧しいものたちにとってみれば、警察は敵だし、特に黒人はちょっとしたことで白人警官にいやがらせされる。そんな風景はアメリカ各所でみられており、こういう作品が作られたのでしょう。

 冒頭、ジョギングしていたアリシアが、黒人女性とあっていきなり白人警官に手荒な職質を受けるところから始まります。そのわずかの間に、警官、人種差別といった問題をわかりやすくみせるのはなかなかの手腕です。そして物語が始まると、ひたすらハードボイルド。周囲が敵だらけのなかでどう生き残るか緊迫感があふれます。

 また、元軍人といっても女性ということで、サバイバル技能はあっても、格闘などのプロというわけにはいきません。単純に主人公が敵をばたばた倒す話ではないので、余計、サバイバル感が高まります。知らなかったのですが、警官不祥事のせいか、警官は勤務中にボディカムでずっと撮影を続けなければならないこと。しかし、データは警察署でしかアップロードできないという縛りもうまい。また、車社会のアメリカだけに、撃たれたアリシアが車でFBIに駆け込むわけにいかないように、路地裏の追いかけっこが続きます。このあたりの設定もなかなかうまい。

 とはいえ、アリシアが指名手配になるくだりとかはちょっとリアリティにかけるし、よくあるようなプロットですし、手放しでほめられるものではありません。上映時間も短いし、勢いで楽しめる小粒だけどおいしいサスペンスという感じでした。ちなみにタイトルのブルーは警官の意味です。
posted by 映画好きパパ at 07:25 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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