【ストーリー】
南北戦争時代のペンシルバニアの田舎町。マーチ家は父のフレデリック(声・阪脩)が北軍兵士として出征中で、母親のメアリー(中西妙子)としっかりものの長女メグ(潘恵子)、活発で小説家志望のジョオ(山田栄子)、体が弱くて優しい3女ベス(荘真由美)、いたずら好きの幼い4女エイミー(佐久間レイ)の4姉妹が暮らしていた。
しかし、戦火がせまり一家はフレデリックの叔母マーサ(水城蘭子)のいるマサチューセッツ州ニューコードに避難する。夫をなくしているマーサは、これまで縁のなかったマーチ一家が遺産目当てかと警戒するが、誠実なマーチ一家は町に溶け込み、新しい生活をはじめるようになる。
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【感想】
若草物語の原作をふくらまし、序盤は戦争映画っぽい話になります。逃亡してきた黒人兵士を匿って南軍の兵士に家探しされたり、砲撃戦が始まって町が炎に包まれたり。リンカーン大統領のゲティスバーグ演説も紹介され、戦争の悲惨さや人種差別の愚かさを、当時のメーンターゲットだったろう日本の子供たちに向けてわかりやすく描いています。
1年間48話続いただけに、物語はゆっくり丁寧に描かれていきます。個性的な4姉妹は基本的には仲良しですが、時々喧嘩も。さらに隣人の富豪の息子ローリー(飛田展男)や、アニメオリジナルのキャラクターでジョオが小説を送るニューコード新聞社の記者アンソニー(曽我部和恭)といった男性陣も登場。メグが16歳の少女だったので、4人の初恋めいた話も含めてほのぼのしたエピソードが続きます。4姉妹と両親、それに周囲の人たちも基本的に悪人がいないので落ち着いてみられます。
19世紀という時代設定もあるし、1980年代に作られたということもあるけど、家族の絆が何よりも大切だし、キリスト教らしい慈善の精神にもあふれています。今年の実写版と比べるとフェミニズムのような観点は薄いですけれど、主役は基本的に女性ばかりだし、ジョオは自分の道を自分で切り開こうとしていますから、今の子供たちが見ても十分楽しめるでしょうし、大人の鑑賞にも耐えられる作品です。
舞踏会への参加とか、当時の衣装、建物も忠実に再現されているのも、見ていて心地が良い。また、回数をうめるためか、オリジナルのストーリーでは怪物魚がでてきたりととんでもないものもあって、あきさせません。物語の主役はジョオだけどナレーションをエイミーが担当。4姉妹の関係をエイミー目線でいうこともあり次回予告も楽しみでした。やはりこういう名作は何年たっても、大人がみても良いものですね。 ★★★★★
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