2020年09月02日

劇場

 行定勲が又吉直樹の原作を映画化。コロナで近くの映画館でかからなかったため、配信でみました。上手いけどサブカル系って僕は苦手なんですよね。

  作品情報 2020年日本映画 監督:行定勲 出演:山ア賢人、松岡茉優、寛一郎 上映時間136分 評価★★★(五段階) 



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 【ストーリー】
 小演劇に打ち込む永田(山ア賢人)は中学時代からの友人野原(寛一郎)とともにげ劇団「おろか」を立ち上げ劇作家になる。渋谷で知り合った女子大生の沙希(松岡茉優)と付き合い、同棲をはじめる。

 だが、永田の書く演劇はまったくあたらず、本人も自分自身の才能に限界を感じてくる。それでも彼のことを信じて応援する沙希だったが…

 【感想】
 なまじ人より才能があり、周囲を小ばかにしているけれど、決してトップクラスの才能ではない悲哀。同じ又吉原作の火花は芸人の世界で、本作は小劇場の世界ですが、同じようなテイストが根底に流れています。芥川賞をとりマルチな人とはいえ、お笑い界ではトップといいきりにくいだけに、そのルサンチマンを小説ではらしているのかもしれません。

 そこをベテラン行定監督がうまく救い上げました。ゆったりしたテンポと映像で、深く静かに悲しみを浮き彫りにします。そして、松岡茉優の天才としかいいようのない、当たりを支配する凄まじい演技。山崎も演出と共演のお陰で新境地を開けたのではないでしょうか。

 でも、こういうサブカル系で美男美女の世界って、しょせんは恵まれた者たちの悩みでしかないと、自分からは縁遠く感じてしまうのですよね。劇作家としてヒットしないというけれど、それは自分で選んだ道であり、懸命にあがいても無駄だったということは、人生にとって糧になるのではうらやましくもみえます。それだけに敗者というのはもっとみじめで、永田も十分人生の勝者だと思うのですよね。

 劇場公開とともにネット配信された本作ですが、やはり静かな作品って映画館でみないと集中力をそがれてしまいます。上質な作品で映画館でみればもうちょっと評価が高かったでしょうけど、何の才能もない僕からすれば、やはりちょっとそっぽを向いてしまうのですよね。
posted by 映画好きパパ at 06:54 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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