2020年09月02日

凪のあすから(2013年)

 海中で暮らせる人たちがいる別世界の日本での青春群像劇。前半と後半でがらりと変わり、後半の評価は高いですが、僕自身は中盤の盛り上がりが一番好きでした。

 【ストーリー】
 かつて、人間は海中で暮らしていたが今は陸で住む人間と海中で住む人間に分かれてた。海の中の村、汐鹿生(しおししお)の中学校が廃校になり、先島光(声・ 花江夏樹)、向井戸まなか(花澤香菜)、比良平ちさき(茅野愛衣)、伊佐木要(逢坂良太)は陸の中学校に通うことになる。

 陸と海の人間には溝があったが、漁師の息子で海の世界に興味を持つ木原紡(石川界人)、父親の至(間島淳司)が光の姉あかり(名塚佳織)と恋仲になったことから海の人間に愛憎を抱くようになった小学生の潮留美海(小松未可子)と彼女の親友の久沼さゆ(石原夏織)ら陸の子供たちとの交流で、2つの世界の関係は次第に変わっていく。やがて陸と海の人間が協力して、神事のおふねひきをすることになり…





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 【感想】
 海の中にも家や商店が普通にある不思議な世界。海の中にはうろこ様(鳥海浩輔)という妙に人間臭い守り神もいて、なかなか他ではみられない世界観です。そんなか人が人を好きになったり、友情をはぐくむという普通の青春ストーリーが繰り広げられるのは何とも不思議な感覚があります。

 海の人間と陸の人間の間には因縁があり、海の人間が陸の人間と結婚すると村を追放されてしまいます。そのことをもあってあかりと至の結婚は周囲から複雑な目でみられるロミオとジュリエット的要因もあり、静かな雰囲気のなかにどこか不穏さを含みmながら話は進んでいきます。

 そして、中盤におふねひきの意味が明らかになり、一つのクライマックスを迎えます。前半の静けさでためた分を一気に爆発させるような展開に胸が熱くなるとともに、ここまで丹念に7人の心情を描いた意味が実感できました。

 後半はその5年後の世界。事態が悪化するなか、残された人とそうでない人の間の時間の違い、心情の違いに何ともやきもきすることになります。このへんな丁寧な展開もなかなかいいのですが、全体のクライマックスが中盤ほどエモーショナルではないのがちょっと残念。話をまとめるにはこれでいいのだけど、もっと泣けるかと期待したのですけどね。それでも、この静かな世界観はほかになかなかみられない貴重なものです。★★★★
posted by 映画好きパパ at 21:55 | Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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