作品情報 2018年イギリス映画 監督:トレヴァー・ナン 出演:ジュディ・デンチ、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ソフィー・クックソン 上映時間101分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマ横浜みなとみらい 2020年劇場鑑賞163本目
がスパイで捕まった衝撃は耐えられないでしょうね。そこも含めて登場人物の心情をいろいろ味わえる、大人のロマンススパイ映画でした。
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【ストーリー】
2000年、イギリス郊外の住宅地に住む80代の未亡人、ジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)が、旧ソ連へのスパイ容疑で逮捕される。息子で弁護士のニック(ベン・マイルズ)の立ち合いのもと、取り調べが始まった。
1937年、ケンブリッジ大で物理学を学んでいた若きジョーン(ソフィー・クックソン)は自由奔放な女子学生ソニア(テレーザ・スルボーヴァ)と親しくなり、彼女の従弟のレオ(トム・ヒューズ)と恋に落ちる。だが2人はソ連のスパイだった。第二次大戦がはじまり、優秀な成績だったジョーンはイギリスの原爆開発の責任者マックス(スティーヴン・キャンベル・ムーア)の秘書兼助手となる。そこへレオが現れ原爆の情報を要求。自分への愛より情報が欲しかったのかとジョーンは怒るのだが…
【感想】
80歳の老女がスパイとして逮捕されたのは実話ですが、あとはフィクションです。モデルとなった女性は若いころからがちがちの共産主義者でしたが、本作のジョーンはそうではありません。学生時代に共産党主催の学習会に参加しますが、ソ連への忠誠があったわけではなく、むしろレオとの愛やソニアとの友情が軸になっています。
このへんはいかにもロマンスを交えたスパイ映画といった感じで、ゆったりとした作りで落ち着いて見られます。当時のファッションや美術がふんだんにあるのもいい。ソフィー・クックソンの強気な姿勢が、まだ女性差別が色濃く残っていた時代の優秀な女学生というのにぴったりで、それだけにぐいぐいと迫ってくるソニアやレオとの一筋縄でいかない関係も楽しめます。
また、米独ソ連と原爆開発競争にしのぎを削る中、イギリスがアメリカをライバル視していたとか、完成させるのは科学者の仕事で使い方は政治家の仕事というふうな科学倫理を無視した意見とか、当時の風潮を知られるのも興味深い。紅茶(お茶くみ)代表と軽くみられていたジョーンの意見が研究を進展させるといったお仕事ムービー的なところも楽しめます。
映画は現代と過去をいったりきたりしながら、ソ連への情報提供を拒んでいたジョーンがなぜスパイとなったのかが明かされていきます。それは現代の軸からみればそういうこともあるのかと思いますけれど、さすがに当時の登場人物に思わせるのは苦しいかも。日本人からするとちょっと複雑な気持ちになるかもしれません。
一方、現代パートはさすがジュディ・デンチの迫力。ただ、息子のニックからすれば、いきなり老母
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