作品情報 2019年日本映画 監督:玉田真也 出演:渡辺大知、奈緒、仲野太賀 上映時間90分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:新宿シネマカリテ 2020年劇場鑑賞165本目
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【ストーリー】
若手脚本家の加藤優介(渡辺大知)とカメラマンの佐伯美帆(奈緒)は、センスもフィーリングもあい、二人で遊びに行ったりするが友達以上恋人未満の関係からすすまない。
加藤はテレビドラマの脚本を書くことになり、美帆をモデルにした脚本を仕上げる。だが、現実では動こうとしない。そんな加藤の煮え切らない姿に彼の大学の後輩、咲子(萩原みのり)や、佐伯の友人のカメラマン里見(徳永えり)はイライラする。一方、加藤は美帆が城戸(仲野太賀)というサラリーマンと付き合うことになったと知り…
【感想】
男女の間に友情が存在するかどうか。でも、その最中は一歩踏み出そうとして関係を壊すことに臆病になってしまう。僕自身、若いころそんな経験をした記憶があります。だから、加藤の心情もわかるし、周りがイライラするのも今となってはわかります。加藤のへたれっぷりに、しまいに壁に頭を打ち付けたくなるほど悶絶していました。
そもそも、美帆はドラマのことをしっているわけですから、加藤が彼女のことを好きだということにきづいてもいいわけです。しかし、天然小悪魔系というか、加藤が何も言わないから気付かないふりをしているのか、いいように彼のことを振り回します。ここれは実にえぐい。何しろ城戸ですら加藤の思いに気づいてしまうわけですから。
一方で、咲子も加藤へ好意を寄せています。しかし、それはしぐさとかで示しているだけで、鈍感な加藤は気付きません。加藤の書いたドラマをみて、咲子はそれが加藤にモデルになっているからストレートな感想を伝えるのだけど、自分の気持ちに向き合いたくなく、プライドの高い加藤はごまかします。そのへん、みているだけで自分の記憶が数十年前にもどってむずかゆくなります。
そして、そういう気持ちでみていたら、驚くべき展開に。これは脚本の妙にうならされました。たった90分の上映時間にこれだけのアイデアを詰め込むのは本当にうまい。
渡辺と奈緒という曲者2人が持ち味をフルに発揮しています。渡辺が出演していた「勝手にふるえてろ」みたいに、とんでもない変化球のラブストーリーです。奈緒も美人なうえに、こういういっちゃった役が多いのでまさにどんぴしゃり。そのうえ、萩原とか太賀とか邦画好きにはたまらないメンツがわきにでているからすばらしい。咲子が初めて美帆を紹介されたときの、値踏みするような視線には思わず背筋がぞわっときました。そして、極めつけは朝倉あき。いやここまでオーラのある女優になるとは思いませんでした。井の頭公園のロケも効果的だし、令和2年を代表する恋愛映画といえましょう。
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