作品情報 2019年イタリア映画 監督:マルコ・ベロッキオ 出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ルイジ・ロ・カーショ、ファウスト・ルッソ・アレジ 上映時間152分 評価★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2020年劇場鑑賞170本
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【ストーリー】
1980年代初頭、シチリアマフィアはパレルモ派とコルレオーネ派で抗争が激化。政界の大物をバックにつけたコルレオーネ派のボス、リイナ(ニコル・カレ)は暗黙のルールを破り、女子供でも容赦なく殺して抗争に勝利。パレルモ派の幹部、ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)はブラジルに逃れるが、イタリアに残った一族や仲間は次々と殺されていった。
ブラジルで逮捕されイタリアに強制送還されたブシェッタは、リイナのやり口に失望したこともあり、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事(ファウスト・ルッソ・アレジ)に協力することを決意する。
【感想】
序盤は暗殺があると画面に何人目の犠牲者か数字がでます。それが3桁になっているからマフィアの抗争はえぐい。一番最初にマフィア幹部の家族ぐるみのパーティーがあり、そこで和気あいあいしていたメンバーが殺しあい、俺が親代わりになるなんていった子供(成人はしてるけど)を平然と殺すというのも実話なだけにぞっとします。
家族や仲間を殺され本国に戻れば自分も殺される。しかもブラジル警察では拷問を受けるし、ブシェッタがイタリアで検察に協力するのは身を守るためには当然でしょう。ただ、本作では彼が主人公ということもあり、今のマフィアのやり口に失望したという面がクローズアップされています。まるで昔の高倉健の映画のよう。
映画は抗争の初期から、ブシェッタの晩年まで20年近い日々をおっかけます。裁判での証言はクライマックスですが、その後、米国で証人保護プログラムによってひっそりと暮らさなければならなかったことや、ブシェッタの証言にもかかわらず、リイナたちの力が相変わらずえぐいことも含まれます。だから、テンポがものすごく早いし、詳しい説明がありません。
ブシェッタの逡巡やマフィアの栄枯盛衰などの見どころもありますけど、やはり、イタリアの現代史を知らないとわかりにくかったというのが正直なところ。ただ、2時間半の上映時間は気にならないぐらい迫力の連続でした。
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