作品情報 2019年日本映画 監督:足立紳 出演:濱田岳、水川あさみ、新津ちせ 上映時間117分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2020年劇場鑑賞180本
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【ストーリー】
売れない脚本家の豪太(濱田岳)は妻のチカ(水川あさみ)のパートに支えられているのに働こうとせず、家庭内ではチカに悪口を言われ放題。夜の生活も久しくお預けをくらっていた。
ようやく、うどんをうつ女子高生の脚本の話が持ち上がり、取材旅行で香川県へ行くことが決まる。ひごろのお詫びとばかり、チカと5歳の娘アキ(新津ちせ)も一緒に連れていき、あわよくば環境の変わったところでふたたび夜の生活を再開しようともくろむ豪太だったが…
【感想】
チカがなぜここまでひどい悪口をいいまくるのか、最初は呆れ半分にみていましたが、悲痛な思いが豪太に全然届かず、長年の積み重ねがこうなったとわかると、むしろ同情したくなりました。豪太はどんなに怒られても馬耳東風と受け流し、夜の生活がなくなると、パート先のおばちゃん(大久保佳代子)と関係をもつありさま。これではチカがどんどん荒れていくのもわかります。
こういういい加減な男を演じさせると濱田はお手の物ですね。男の僕からみても、だめだめなのに、妙に愛嬌があって、チカが悪口をいいつつも離婚に踏み切れないのがわかります。ただ、あまりにも情けない。何しろ浮気メールに夢中で、娘を迷子にしてしまうのですから。足立監督の自伝的要素があるそうですが、夫婦の会話をここまであけすけにして、リアルの奥さんが怒らないのかとすら思ってしまいます。まあ、映画同様深い愛情があるからこそなんでしょうけど。
アキの前では抑えようとしたのも昔の話でしょうか。アキは両親の喧嘩に飽き飽きしているところさえあります。これは子どもの成長にとってはよくないなあと思いつつ、たくましく生きるアキを、新津ちせがしっかりと演じ、時には夫婦の接着剤になる癒し的存在になり、チカの悪口のダメージを中和させてくれました。
もう一つ、四国で出会う2人の旧友のユミを演じている夏帆が小悪魔的魅力を発揮。チカとのマダムならではの下ネタトークの応酬は、若いころから2人の作品をみているけれど、年相応の役がうまくはまってきているな、と感心しました。
ロードムービーというのはコロナの前の世界の良さ。低予算でこんな宿があるのかと驚くような珍道中もありました。タイトルに喜劇とついているだけに、オチも含めて昭和的な古さも感じられますが、それでも切れない夫婦、親子の絆も含めてほっとさせてくれる作品でした。
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