作品情報 2019年アメリカ 、中国、香港、カナダ映画 監督:ローランド・エメリッヒ 出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン 、豊川悦司 上映時間138分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2020年劇場鑑賞181本
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【ストーリー】
1941年12月、日本の真珠湾攻撃奇襲は大成功を収めた。米海軍のパイロット、ディック・ベスト大尉(エド・スクライン)は親友が戦死し、日本軍への復讐を誓う。太平洋艦隊の情報分析官エドウィン・レイトン少佐(パトリック・ウィルソン)は日本の攻撃が近いとの分析を上層部に無視され、責任を感じて転任を申し出たが後任のニミッツ大将(ウディ・ハレルソン)は、日本駐在時に山本五十六連合艦隊司令長官(豊川悦司)と面識のあるレイトンに、次は日本軍の意図を正確に見抜くよう命令する。
一方、山本長官は真珠湾で空母を撃ち漏らしたことに不安を覚え、さらなる攻撃を計画。太平洋の真ん中にあるミッドウェイの攻撃を計画する。だが、日本軍の暗号は米軍によって解読され…
【感想】
映画の最後に「ミッドウェイで戦った両軍の将兵に捧げる。海はすべてを覚えている」とのクレジットが出ます。アメリカの戦争映画で枢軸国側の将兵まで含めて献辞を捧げたのは初めてみました。米軍側が日本を敵として憎むというのはありますが、あくまでも戦争の敵であり、史実を捻じ曲げてまで悪という描き方をした部分はそれほどありません。主要登場人物も皆実在の人物です。
ちなみに、ネットで叩かれている米軍捕虜殺害は史実でもありました。また、中国資本もありますが、ドゥーリットル中佐(アーロン・エッカート)が中国に不時着後のやりとりも、実は米軍も民間人攻撃をしているわけで、突っ込める範囲内にとどまっており、それほど日本を悪に見立てた感じはありませんでした。
戦闘シーンのエピソードも割と史実を拾っています。米軍がミッドウェーで真水が不足していると偽電報を流したのに日本軍がひっかかったとか、日本軍が空母の甲板に日の丸を描いており、それが目標になったとか、ミッドウェーにジョン・フォードが撮影にきたとか、史実だというのがおもしろい。まあ、山口多聞(浅野忠信)が山本五十六の腹心のような扱いは、物語に起伏をつけるためかもしれませんが、僕の認識と違いましたけど。また、ドーントレス爆撃機があんなに零戦に強いのかという気もしますが、ベスト大尉が活躍したのは事実ですし。
ただ、2時間越えとはいえ、真珠湾からミッドウェーまでいくので、史実を知らないとわかりにくいところもありました。例えば暗号解読の話など、説明がものすごい勢いで流されるので、戦史をしらないとちょっときついかも。
また、戦闘シーンは安定のエメリッヒ印というのか、何度も似たようなシーンが繰り返されるようで、工夫をしっかり凝らしており、あきることはありませんでした。ハリウッド大作にしては製作費が低いため、あっと驚くようなSFXにはなっていないものの、映画館の大スクリーンでみるのに十分迫力がある仕上げになっています。
日本の戦争ものってどうしても被害か加害に偏ってしまいます。ハリウッドの戦争映画も最近はそうでした。こういう史実に基づき、バトルにフォーカスをあてた戦争映画は、太平洋戦争ものでは近年なかっただけに、見ごたえは十分ありました。
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