作品情報 2019年ブラジル映画 監督:アナ・ルイーザ・アゼヴェード 出演:ホルヘ・ボラーニ、ガブリエラ・ポエステル、ホルヘ・デリア 上映時間123分 評価★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ 2020年劇場鑑賞186本
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【ストーリー】
ブラジルの田舎町に暮らす老人のエルネスト(ホルヘ・ボラーニ)。サンパウロに住む一人息子のラミロ(ジュリオ・アンドラーヂ)は同居するよう誘うが、亡妻の思い出がつまる家から離れたくなく、目が不自由になりつつあるのに、一人住まいを続けていた。
ある日、アパートの玄関でイヌの散歩のバイトにきていた若い女性、ビア(ガブリエラ・ポエステル)と知り合う。故郷のウルグアイにいる旧友のルシアから夫が亡くなったとの手紙が届き、目が不自由なエルネストはビアに手紙を代読してもらい、イヌの散歩よりも自分の面倒をみるバイトをと持ち掛けるが…
【感想】
ブラジルと日本の国情の違いがあるのかもしれませんが、エルネストもビアも単純な善人ではありません。エルネストは頑固さがこじれてしまい、隣人のハビエル(ホルヘ・デリア)や家政婦の親切もうっとうしくなります。もっとも、エルネストのほうにすれば、自分の気持ちを考えず善意の押し付けというのはうっとうしいのかもしれませんが。
一方、ビアのほうはDVの彼氏に騙されているというところもありますが、最初は手癖が悪く、エルネストのこともカモだと思っていた節があります。ただ、根は素直なところがあり、ルシアからの手紙に感動して、返事をだすためにエルネストの口述筆記を手伝うといいだします。
このあたりから、年の差の離れた友情が始まります。恋愛感情とも親子の感情ともちょっとちがったもの。そんな男女の友情が深まっていくのはほほえましくみられます。そして、年をとることの残酷さをみせる一方で、それでも前向きに歩こうとする姿もみせてくれます。
ブラジルでの年金制度とかよくわかりませんが、一人暮らしの高齢者が暮らしにくいのはどこの国でも一緒なのかもしれません。それでも、生きていればもしかすれば思いがけないプレゼントがある、そんなに世の中悪くないよと教えてくれるような気がしました。
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