作品情報 2019年韓国映画 監督:キム・スンウ 出演:イ・ヨンエ、ユ・ジェミョン、パク・ヘジュン 上映時間108分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞194本
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【ストーリー】
ソウルの看護師、ジョンヨン(イ・ヨンエ)は6年前、当時7歳だった息子のユンスが失踪し、夫のミョングク(パク・ヘジュン)とともに必死に行方を探していた。
ある日、ユンスがある島で目撃されたとの情報がジョンヨンのところに寄せられる。年恰好やあざがあることなどから、間違いないと思った彼女は僻地の島を訪れる。だが、住人はもとより地元警察のホン警長(ユ・ジェミョン)も、少年などみたことがないと口をそろえる。だが、ジョンヨンは島の小屋で思いがけないものを発見し…
【感想】
登場人物が悪意の塊ばかりで、ジョンヨンとミョングクのやつれていく姿が目も当てられません。必死で目撃情報をおっても、いたずら情報だけでなく、信頼していた人物にすら金をだまし取られるありさま。これではまっとうな生活が営めるわけがありません。ときおり、フラッシュバック的に描かれる幸せだったころの一家のシーンが、かえって心をえぐります。また、一見、いい人に見える人が実はえぐいことしたりするのを見せられると、本当にしんどい。
そして、閉鎖的な島の住人たち。知らなかったのだからさっさと情報をだして懸賞金をもらえばいいのに、必死になって隠していきます。しかも、地元警察も抱きこんでいるのだから始末に負えない。このあたりの韓国の田舎の閉鎖性ってコクソンをはじめ、韓国映画では取り上げられる題材なんですが、とにかくねちっこく、暴力的で嫌になります。
一方、韓国で社会問題になっている児童虐待や児童の行方不明といったテーマもしっかり盛り込まれています。日本よりも暴力的、感情的な社会でもあり、この映画でもジョンヨン夫婦に襲い掛かる悪意、社会の風潮がなんともかんとも。他人のことを思いやって、親切にしてあげることがなぜできないのか。悪意だけでなく無関心も大きな罪であることを描いています。
そして、後半はジョンヨンの命が狙われ、これまた韓国映画らしい、すごい痛そうなアクションが続きます。イ・ヨンエは「親切なクムジャさん」でもアクションをしていましたが、本作では泥まみれ、血まみれのアクションが続き、目をそむけそうになりました。そして、いかにも韓国映画らしい鬱になりそうな展開が続きます。
ただ、いくらなんでも韓国の警察が腐敗すぎるというか、指紋を照合すれば一発でわかるんじゃないの?とか、あれだけの騒ぎで1年後のエピソードはなに?とか突っ込みどころはあります。まあそれも含めて粗削りさを堪能できる韓国映画らしかった。
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