2020年10月05日

蒲田前奏曲

 女優の松林うららが、地元蒲田を舞台に4人のインディーズ監督による連作を企画。売れないアラサー女優の目を通じた今を切り取りました。4本のテイストがあまりにも異なるので、いかにもインディーズといった作品です。

 作品情報 2020年日本映画 監督:中川龍太郎、穐山茉由、安川有果、渡辺紘文 出演:松林うらら、伊藤沙莉、瀧内公美 上映時間117分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キネカ大森 2020年劇場鑑賞199本




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 【ストーリー】
(1)売れないアラサー女優の蒲田マチ子(松林うらら)は、栃木から上京して蒲田に住んでいる。恋人と間違えられるくらい仲の良い弟のタイ蔵(須藤蓮)と同居していたが、弟に恋人ができたと聞かされショックを受ける。その女性、セツ子(古川琴音)は実は…

(2)マチ子は大学時代の友人と久々に女子会をする。だが、一番恋愛に奥手な麻里(福田麻由子)が来月結婚すると報告し、雰囲気は一変。バリキャリの帆奈(伊藤沙莉)は結婚をあからさまにバカにする。仕切りなおしに蒲田名物の銭湯にいくことになったが…

(3)中年のプロデューサー(近藤芳正)から執拗な誘いを受けているマチ子。me tooを題材にした映画のオーディションでその体験を告白するが、うまく演じられない。同じオーディションを受けた黒川瑞季の獲り方なんか(瀧内公美)は迫真の演技をみせるが…

(4)マチ子の故郷である栃木県・大田原市で渡辺紘文監督(本人)の撮影が始まった。マチ子の従妹で小学生のりこ(久次璃子)が主演となり…

 【感想】
 個人的な好みとしては(3)=(2)>(1)>(4)。3作目は映画界の古い体質を側聞しますし、セクハラ反対と口でいいながら、おやじ路線で2次被害をするようなオヤジあるあると楽しめました。瀧内の思い切った演技や松林の本音ともいえるようなセリフが何とも思い。でも、一番すごいのはナチュラルにセクハラを体現している近藤の演技。売れない女優というのは大変だとしみじみ。

 (2)は女子同士の友情と本音のぶつけあい。男がいかにわがままでエゴイストかというのがよくわかります。伊藤、福田の子役からの芸達者コンビの掛け合いも楽しめるし、銭湯だからこその本音の吐露もみていて愉快。テンポよく楽しめました。子役イメージが強い2人も、もうアラサーなんですね。

 (1)はすごいサブカル感をだしている感じで、古川の撮り方なんかMVのようでした。どちらかというとストーリーというよりも感性で感じ取るタイプ。ただ、1話目で物語世界にいれるのなら、もっと具象的なほうが良かった気もします。

 (4)は完全な独自路線。渡辺監督の過去作をみていればわかるらしいですが、ちょっとオフビートでシュールなコメディになっています。執拗な突っ込みに受けている客もいたのですけど、コメディは人によって好みが異なるので、僕はちょっと、狙いすぎている感じをうけちゃいました。

 東京都内で2館だけの小規模上映ですが、インディーズも頑張っているというのがわかって、応援したくなります。というわけでクラウドファンディングに3万円出したら、松林さんからの手書きのメッセージが届いて、うれしかった。こういうインディーズには、コロナ禍にまけず、今後も頑張ってほしいです。
posted by 映画好きパパ at 07:34 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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