2020年10月15日

星の子

 芦田愛菜主演で、新興宗教の信者の両親と暮らす少女を描いたヒューマンストーリー。若手からベテランまで演技が素晴らしく、脇役に至るまで、これほど配役が完璧と思える作品は珍しいと思いました。

 作品情報 2020年日本映画 監督:大森立嗣 出演:芦田愛菜、永瀬正敏、原田知世 上映時間110分 評価★★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ上大岡 2020年劇場鑑賞209本



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 【ストーリー】
 中3のちひろ(芦田愛菜)は赤ちゃんの頃、病気に苦しんでいたが、父(永瀬正敏)が知人から万病に効くという金星の水を手に入れて、症状が改善された。それ以降、母(原田知世)も含めて、新興宗教に入信した。

 しかし、それによって一家はどんどん貧しくなり、周囲からはあぶない人扱い。耐え兼ねたちひろの姉のまーちゃん(蒔田彩珠)は家出をしてしまったが、両親の信仰心は揺るがなかった。そんななか、ちひろは新任の教師、南(岡田将生)に恋をしてしまったのだが…

 【感想】
 最近は新型コロナウイルスの影響で宗教を信じる人が減ったそうですが、日本の新興宗教から報告された信者数をすべて足すと日本の人口を上回るという時期もありました。実際に、新興宗教の信者は思った以上に多いのかもしれません。でも、あまり信者だということがわかると、正直、ひいてしまう周りもいることでしょう。

 一家が信仰している宗教が悪質なものかどうかは、はっきりと示されていません。しかし、一家は宗教に貢いでいるためかどんどん貧乏になっています。また、特別な水を使った儀式を人前でやることで、周囲はドン引きしているのが事実です。ちひろの叔父(大友康平)一家が、何とか信仰をやめさせようと画策し、むしろそれがかえって意固地になってしまうというのも現実的でしょう。

 ちひろは同世代の信仰の友人もいますし、信仰とは関係ないクラスの親友もいます。そんななか、両親と違って信仰がすべてと思っているわけではない。家出した姉とも仲が良かった。でも、両親が宗教にはまったのは自分の病気のせいだし、何よりも両親が大好きなちひろ。彼女がこの先、どう成長してどういう人生を歩んでいくのか、応援したくなります。

 興味深いのが大人たちが善意、悪意にかかわらずちひろに枠をはめ、彼女の意思を無視して不幸に導こうとしていること。その一方で、ちひろの親友のなべちゃん(新音)やなべちゃんの彼氏の新村(田村飛呂人)といった同世代の人は、時には毒舌をかますけど、ちひろと同じ視線にたって、彼女を暖かく応援してくれます。この大人と子供の対比もなかなか考えさせられました。

 また、大森監督がえぐみを抑えつつも、突き放したような演出をしているのがいい
。配役も完璧で、芦田は天才子役がそのまま天才を保ったまま成長しており、表情、目線でみせてくれました。両親役の永瀬、原田とも、愛情がきちんと伝わらない親の難しさを体現しています。さらに、新興宗教にはまっている信者役の黒木華、高良健吾の気色悪さ、告白+悪人の演技を想起させる岡田の切れ味、ほんのわずかなシーンだけど焼きそばを食べるだけでみせてくれた宇野祥平など大人はもちろん、芦田の小学生時代の子役!(粟野咲莉)まで含めて完璧な配役でした。もう一度みたくなるような暖かい作品でした。
posted by 映画好きパパ at 07:49 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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