2020年11月18日

ジオラマボーイ・パノラマガール

 平凡な日常に飽き足らないティーンの男女が恋愛と性を求めてさまようという、いかにもサブカル系の題材。でも、このコロナ禍のご時世だと、むしろ平凡な日常がいかに貴重かという社会になっているのでは?岡崎京子の30年前の漫画が原作で、その価値観は20世紀のままで、ちょっと今の僕の心情にそぐわなかったです。

 作品情報 2020年日本映画 監督:瀬田なつき 出演:山田杏奈、鈴木仁、大塚寧々 上映時間105分 評価★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランベリーパーク 2020年劇場鑑賞243本



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 【ストーリー】
 高校生の神奈川ケンイチ(鈴木仁)は、なんとなく高校をやめてしまう。初ナンパに挑戦したケンイチはマユミ(森田望智)という年上の女性をナンパしたことから、マユミの彼氏(遊屋慎太郎)からぼこられて、血を流して倒れてしまう。

 通りかかった女子高生の渋谷ハルコ(山田杏奈)はケンイチを介抱したことから、彼に一目ぼれ。その際、ケンイチが生徒手帳を落としたため、ケンイチの家に返しにいくのだったが…

 【感想】
 神奈川と渋谷という名前に意味があるのかと思い、実際、渋谷のパルコなんかはでてきたけど、神奈川はでてこなくて豊洲が舞台でした。湾岸がおしゃれの場で、そこでの無機質な生活というのは、いかにも30年ぽい感覚だなと思ったけど、昨年みた「ホットギミック」もそうでしたし、サブカル系では今でも当然なのかな。

 ケンイチがふわふわとあてもなく衝動的に高校をやめ、年上の女性にひかれて童貞ぽい行動をしてしまうというのも、これまたフリーターという言葉が最先端の生き方だったバブル前後の感覚かなあ。ハルコがオザケンのレコード!が好きで、モブを含めた友達と歌って盛り上がるというのも、これまた時代を感じてしまいました。

 冒頭、湾岸の建物ができていく場面を片っ端からモンタージュしていくとか、撮影に工夫を凝らしていて期待したけど、その後はクラブシーンとかもどこかで見たような感じ。そもそも性をテーマに、あまり踏み込んだ描写がなく、同じ岡崎京子原作でも、二階堂ふみを脱がせた「リバーズエッジ」と比べても物足りなかった。妙に耳年増の小学生たちも、同じ小学生がヒロインにまとわりつく「水上のフライト」と違って、いかにも作っているという感じでしたし。

 ただ、山田杏奈の演技は十分魅力的で、この年頃の少女の壊れかけそうなふわふわした感じがよくでていました。彼女にとっては良い作品だったと思います。ケンイチの姉役の成海璃子、ハルコの親友役の滝澤エリカといった若手女性陣もちゃんとキャラがたっており、女性監督ならでは等身大でとれた成果かと思いました。
posted by 映画好きパパ at 07:00 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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