トランプ大統領が中身に激怒したという話が伝わってきますが、右も左も平等におちょくっています。ホラー、サスペンス系の話に現実の風刺をいれるというのはさすがブラムハウス制作です。
作品情報 2020年アメリカ映画 監督:クレイグ・ゾベル 出演:ベティ・ギルピン、ヒラリー・スワンク、エマ・ロバーツ 上映時間89分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日比谷 2020年劇場鑑賞246本
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【ストーリー】
ある日、森の中で12人の男女が目覚めると口にさるぐつわをされていた。12人は互いに見知らぬもの同士で、何者かに拉致されてきたのだ。やがて大きな木箱をみつけた彼らは中に豚と武器があるのを発見する。
そこへ銃声が轟き、次々と犠牲者がでた。12人は大金持ちによる人間狩りのターゲットになったのだ。武器を手に反撃を試みるが、謎の敵は手ごわく…
【感想】
リベラル派の大金持ちが、ネトウヨをさらってきてマンハントの材料にする。これだけの設定ではトランプ大統領が激怒したのもわかります。しかし、ネトウヨたちも反撃して、互いに殺し合いになるのですし、悪役はリベラル派の大金持ちなんですから、トランプ氏も怒らなくていいのに、と思いました。
序盤はテンポよく、チャーター機でのハプニングから、会場となった森でのハントまで手際よく進みます。活躍するのかと思った人があっさり殺されたりと、見ているこちらもひきつけられていきます。中盤から主人公は絞られ、ラスボスではタイマンになるのですが、序盤のホラー的な緊張感が、クライマックスでは思わず笑いたくなるようなタイマンになるので、評論家筋の受けが悪いのもわかります。
そもそも、ターゲットに武器を持たせなければ反撃もされなかったろうに、ここらへんもリベラルの愚かさということでしょうか。フェイクニュースをまき散らすだけのネトウヨたちが次々に殺される場面も、逆に金持ち側が反撃を受けて殺される場面も、それぞれスカッとするような撮り方になっており、結局、右も左も偏っていればどっちもどっちという気を起こさせます。「パージ」シリーズのように、金持ち=悪というだけでなく、人間狩りの標的も狩られる理由があるというのが目新しいところでしょうか。
わりとノースターの作品ですが、なぜかヒラリー・スワンクが登場し、体の張った演技をしています。オスカー主演女優賞を2度受賞した輝かしいキャリアにもかかわらず、当時から変わった映画への出演もちょくちょくあり、いったい彼女の作品選びはどうなっているのか不思議です。「ちょっと休憩」みたいに笑わせるセリフもあり、おいしい役どころではありましたけどね。
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