作品情報 2018年フランス映画 監督:アントワーヌ・ブロシエ 出演:マローム・パキャン、ダニエル・オートゥイユ、 ジャック・ペラン 上映時間109分 評価★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2020年劇場鑑賞252本
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【ストーリー】
フランスの農村で母親のバルブラン夫人(リュディヴィーヌ・サニエ)と貧しいながらも幸せに暮らしていた11歳の少年レミ(マローム・パキャン)。だが、パリに出稼ぎに行っていたバルブランの夫ジェローム(ジョナサン・ザッカイ)が足を怪我して戻ってきて、レミは実は捨て子だったことを知らされる。
治療費がかかるためレミを売り飛ばそうとしたジェロームだが、親切な老音楽家のヴィタリス(ダニエル・オートゥイユ)に助けられ、犬のカピ、サルのジョリクールとともに旅芸人として各地を歩くことになる。そこでヴィタリスはレミに歌手としての才能を見抜くのだが…
【感想】
原作の児童文学は幼いころ読んだはずですが記憶に残っていません。ただ、原作の一座は犬が3匹いたのに映画では1匹に減らされるなど、かなりはしょっています。特に犬やサルとレミの関係が映画ではあっさりしすぎていて、本来だったら動物だけどレミと仲良しになるのに、そのつながりが薄いのがもったいありませんでした。
ストーリーのほうも物語の骨子をつないでいる感じで、ヴィタリスやジェロームの人間性に深みがなく、バルブラン夫人は単なるやさしいお母さんという記号にとどまっています。レミ自身の性格も描く時間がたりず、副題の希望の歌声といっているわりには、歌が活躍しなかったような…
それでも、児童文学の名作だけあってストーリーはわかりやすい。動物もでてくることだし子供は喜ぶでしょう。また、ダニエル・オートゥイユや、老人になったレミの回想からスタートするのですが、その老レミ役のジャック・ペランの枯れた演技はなんとも味わい深かったです。
また、犬が要所要所で活躍するほか、襲い来る狼など自然の姿もきっちりと描いています。農村の少年らしく、牝牛が友達というレミの設定も舞台を19世紀末にしているからでしょうか。そして、老レミが子供たちに回想を伝える形というオリジナルの改変も、名作児童文学をしっかりと今の子供たちに教えていきたいという作り手のまじめさが伝わってくるようでした。
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