【ストーリー】
19世紀、スイスの貧しい農家の少年ロミオ(声・折笠愛)は元気で誠実な男の子だった。ところが、歴史的な飢饉に見舞われたうえ、人買い商人のルイニ(小村哲生)の罠にはまり、家の借金の代わりにミラノの煙突掃除夫として売られることになる。
危険な旅を乗り越え、同じく煙突掃除夫として売られる少年アルフレド(藤田淑子)とともにミラノについたロミオはロッシ親方(安西正弘)に買われて助手となる。だが、ロッシの妻のエッダ(羽鳥靖子)や息子のアンジェルモ( 柏倉つとむ)にいじめられ、満足に食事も与えられずに危険な重労働に従事させられていた。唯一、ロッシの娘で病気で寝たきりのアンジェレッタ(川村万梨阿)だけは優しくしてくれた。しかし、アンジェレッタには重大な出生の秘密が隠されており…
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【感想】
スイスの貧しい農村で元気よく暮らす初回から、次から次へとロミオに試練がふりかかります。当時、貧しい子供の人身売買は社会問題化しており、特に煙突掃除夫は高所での作業や塵肺などで多くの子供たちが命を落としていました。さらに、親方によっては奴隷のように少年らをこきつかい、町の不良少年からは食料や数少ない金品を奪われる対象になります。
アンジェレッタという癒しはいるものの、毎回毎回ロミオに災難がふりかかってきて、見ているこちらもハラハラします。なぜここまで不幸になるのかというほど災難まみれなのですが、ロミオの明るく前向きな、名作アニメの主人公といった性格が守ってくれます。序盤にルイニが遭難するのですが、見捨てず助けるなどどこまでまっすぐなのかというほど。最初は字が読めなかったのが、独学で本を読めるようになるなど努力もおしみません。
もう一つアルフレドたち煙突掃除夫たちの子供たちで作った「黒い兄弟」という同盟が後半の柱になってきます。同盟の仲間がピンチになったときはどんなときにも駆け付ける。知恵のアルフレドと勇気のロミオが中心となり、不良少年たちに逆襲したり、意地悪な大人を出し抜いたりと、八面六臂の活躍。
そして、アンジェレッタとアルフレドというロミオにとって大切な2人の出生の秘密も描かれていきます。こういう一種のおとぎ話っぽいところは、原作にはなくアニメオリジナルだそうですが、細かく観れば突っ込みどころは多数ですけど、勇気と知恵、友情で乗り切るというのは大人がみても胸熱です。
意外にも、単純な因果応報の話にはなっていません。悪いヤツは改心しないし、本来だったらもっと重要な役になる人が退場しちゃったりします。脚本がどういう意図でつくったのかわかりませんが、単純なハッピーエンドにしなかったのが、今でも面白く思える要因なのかもしれません。
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