2020年12月05日

魔法使いの嫁(2017年)

 落ち着いた世界観と美しい美術が楽しめるファンタジー。回によって切なさやはかさなもあり、大人の鑑賞に堪えうる作品です。

 【ストーリー】
 生まれつき妖しいものがみえるため、両親を失い、周囲から孤立していた少女羽鳥智世(声・種ア敦美)は自暴自棄になり自殺を考えていたところ、謎の男(諏訪部順一)の誘いにのり
、イギリスにわたって自分自身をオークションに出品する。

 落札したのは魔法使いのエリアス(竹内良太)だった。牛の骨のような頭部をもっているエリアスは、知世を弟子兼妻として考えていた。知世には特殊な魔法の才能があったのだ。エリアスと生活するうちに妖精やドラゴンなどさまざまな魔物とも出会うようになり、少しずつ前向きになっていく。





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 【感想】
 とにかく美しく幻想的な世界が広がり、このままじっとたゆたうたくなります。母親(井上喜久子)にも殺されかけ、人生を絶望していた智世に初めて居場所を与えたのがエリアスでした。物静かな紳士のエリアスが、彼女に向ける目は優しくまさに理想の関係です。

 さらに、ドラゴンの子どもたちやイギリスの民間伝承や神話にある妖たち。シェークスピアの作品に出てくる妖精の王様のオベロン(山口勝平)と女王のティターニア(大原さやか)など、魅力的なキャラクターが次々とでてきます。日本ではあまり縁のないイギリスの妖怪たちだけに、興味もわきます。

 ストーリーも全体的に死の影がさす暗い感じが何ともたまりません。何百年も生きる魔法使いと、短命な人間種である智世とはいつかは別れなければならない関係。さらに、彼女が出会うできごともいくつもの哀しい愛と別れがあり、心に刻まれます。

 また、シリーズを通した敵役としてカルタフィルス(村瀬歩)がでてきます。これまた西洋の伝承のさまよえるユダヤ人である彼との対決は見ごたえのあるアクションもある一方、運命の過酷さを感じさせ、この物語にふさわしいキャラクターになっています。絵柄もそうですがじっくりと味わえる作品でした。★★★★
posted by 映画好きパパ at 23:09 | Comment(0) | アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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