2020年12月06日

THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女

 香港と中国を通学する女子高生が、ふとしたきっかけで密輸に手を染めてしまう。そんな複雑な少女のゆらぎを、ある種、さわやかなタッチで描いた青春映画でした。

 作品情報 2018年中国映画 監督:バイ・シュエ 出演:ホアン・ヤオ、スン・ヤン、カーマン・トン 上映時間99分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2020年劇場鑑賞261本



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 【ストーリー】
 香港の高校に、中国・深センの自宅から通学している女子高生のペイ(ホアン・ヤオ)。シングルマザーの母ラン(ニー・ホンジエ)は酒や麻雀にはまり、娘との距離は開いている。ペイは親友のジョー(スン・ヤン)と、いつかは日本の北海道を旅行して、雪をこの目で見る日を夢見ている。

 ジョーの恋人で遊び人のハオ(スン・ヤン)のクルーズパーティーに参加したペイは、ハオが香港から中国へスマホを密輸して儲けていることをしる。ハオの紹介で密輸グループを手伝うことになったペイは、制服姿のまま密輸をするようになる。

 【感想】
 最近の香港の騒動で今はどうなっているかわかりませんが、1国2制度の歪みとそれをうまく利用とする庶民のしたたかさは実感できました。自由が残っている香港では最新のiPhoneが普通に売られています。しかし、中国本土ではすぐに発売されず闇で手に入れるしかない。香港と深センは高速鉄道を使えばわずか15分の距離しかありません。それなのに、密輸業者はビジネスチャンスだと思ったのでしょう。

 ホアン・ヤオは群衆でも目立たないという観点で主演に採用されたそうですが、イミグレーションはあるものの連日、大勢の人が通るわけですから、怪しいと思った人しかチェックされません。通学中の女子高生は盲点で、密輸グループが目を付けたのもわかります。

 香港では貧富の差も激しく、裕福な育ちのジョーは高校卒業後ヨーロッパ留学を楽しみにしているうえ、日本への旅費ぐらい簡単にだせます。でも、ペイは飲食店でバイトしてもわずかな額にしかなりません。簡単に大金が手に入ると知ったペイが密輸にはまっていく心理は手に取るようにわかりました。

 しかし、クライムサスペンスの部分よりも、ペイとジョーの友情や、イケメンのハオに次第に惹かれるようになるペイの淡い恋心のほうが印象に残ります。密輸をするために、ペイとハオが互いに相手の体にiPhoneを巻きつけるシーンがありますが、これがなんともいえない濃密な雰囲気をだしてきて、エロチックにすら感じました。

 友情、親子関係、恋愛、そして犯罪。少女から大人になりかけているもろい時期を、ホアン・ヤオのおとなしそうなどこにでもいる姿が等身大にみえます。心にちょっとさわやかで切なさを感じさせる小品でした。
posted by 映画好きパパ at 06:57 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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