作品情報 2018年ドイツ映画 監督:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ 出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ、マティアス・シュヴァイクホファー、ミリアム・シュタイン 上映時間:111分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2020年劇場鑑賞273本
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【ストーリー】
子供のころからの親友同士のパウル(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とトニー(マティアス・シュヴァイクホファー)はアプリ会社を共同経営している。パウルが開発した、AI搭載し利用者に人間のように話しかけるアプリ・ナナが、アメリカの超IT起業家ザッカーマン(アルチョム・ギルツ)の目に留まり、莫大な金額で買い取られることになる。
大富豪になることに有頂天な2人だが、スマホ依存症のパウルとイケメンなのに自分の養子にコンプレックスがあるトニーは酔っぱらって相手が物にとらわれていると非難。持ち物をすべて倉庫にあずけ、100日の間、1日1個ずつ取り戻す生活に多恵らえるか賭けをすることになる。素っ裸からスタートした2人だが、倉庫にいた謎の美女ルーシー(ミリアム・シュタイン)と知り合い…
【感想】
フロリアン・ダーヴィト・フィッツが監督と脚本、マティアス・シュヴァイクホファーがプロデューサーと、こじんまりしたスタッフになっていますが、日本でも公開されるぐらい本国では話題になったのでしょうか。ベースとなったのはフィンランドのドキュメンタリー「365日間のシンプルライフ」(未見)ですが、本作はフィクションでラブコメの要素も含みながらお気楽に楽しめます。
最初はよくある金持ち志望の2人が、実際に金持ちになれるかと思いきや、シンプルライフ生活に突入。そこで一体何が自分にとって大切なのか悩むところは身につまされるひとも多いかも。スマホと暖かい服とどちらかしか選べないとなったらどうなるでしょう。スマホなしでの生活は成り立つのか。
パウルは買い物することが喜びになるといって、自分では使わないものを次々と買っています。しかし、田舎の祖母の家にいったとき、祖母の持ち物はわずか数百個にすぎないのに幸せそうで、一方、自分は1万個もの持ち物があるのに、まだまだ足りないと思わされていることに気付きます。シンプルライフがいいと単純に訴えるのでなく、それぞれの長所があるなかで、自分がどちらにあっているのか考えさせられるという作りがうまい。
そして、何より大切なのが愛する人、恋人や家族、親友であることがわかるというのは、いつの時代でも真実でしょう。お金や物があったほうがいいけど、必要以上にたくさんあるくらいだったら、より大切な人間関係を重視したほうがいい。そんなシンプルなことがわからない世の中になっていることに、チクリと風刺するような感じですね。
雪が降り、厳寒のベルリンの市街地を2人がすっぽんぽんで走ったり、ザッカーマンが名前の似ているだれかさんそっくりのメイクをしていたりと、笑いどころも多数。ちょっと強引なところもあるけど、笑ってほろっとさせるエンタメの定石をきっちりと体現しています。
【2020年に見た映画の最新記事】
原案となったスウェーデンのドキュメンタリーも面白かったけど、こちらは友情を描いている点ですこし目的が違う気がしました。
身近な問題でもあり、世界を覆う大きな問題でもありますね。
ムヒカさんに叱られそうです。
(=^・^=)
https://chokobostallions.hatenablog.com/entry/2020/10/11/101118
原案のドキュメンタリーもムヒカさんも見逃してるのですよね。
機会があればぜひみてみます