作品情報 2019年デンマーク 、 カナダ、 スウェーデン、 フランス、 ドイツ、 イギリス、 アメリカ映画 監督:ロネ・シェルフィグ 出演:ゾーイ・カザン、タハール・ラヒム、ビル・ナイ 上映時間:115分 評価★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞278本
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【ストーリー】
ニューヨークにある老舗のロシア料理店「ウィンター・パレス」は料理がまずく、客足が減るばかり。オーナーのティモフェイ(ビル・ナイ)は客として訪れたマーク(タハール・ラヒム)がレストランに詳しいことを知り、臨時のマネージャーとして雇う。
クララ(ゾーイ・カザン)は警官の夫リチャード(エズベン・スメド)のDVから逃れ、幼い2人の子供を連れてニューヨークにやってきた。しかし、頼れるところもなく無銭飲食を繰り返し。ある晩、ウィンターパレスに忍び込む。店の常連客で看護師のアリス(アンドレア・ライズボロー)は、ホームレス支援のボランティアをしていた。そこで、クララの事情を知るのだが…
【感想】
群像劇といえば聞こえはいいのだけれど、視点があちこち飛ぶので、なんか困っている人を助ける心暖かい人がいましたね、という印象しか残しません。マークは無銭飲食に忍び込んだクララたちを助けるのだけど、もし若くて美人なシングルマザーでなくて、老人だったら叩き出したのではないのか、と意地悪く思ってしまいました。
そもそも、缶詰のキャビアしかうまい料理がないというのだからしょうがないのかもしれませんけど、このタイトルだったらもっとロシア料理がおいしそうにみえても不思議ではないのでは。ティモフェイの存在意義も今一つわかりませんし、マークの過去の秘密もふーんと流しちゃいそう。
また、アリスや、若いのにリストラされた青年ジェフ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)をめぐるエピソードもとりとめがない。確かに今、格差社会で苦しむ人たちはいるけれど、個人の善意で運よく助かりましたというふうにしかみえないのですよね。特にクララが小さな子供2人がいるのに何も将来を考えずに家出して、学校にもいかせずに無銭飲食とホームレスシェルターをさまよう姿は、親だったらもう少し何とかしろとイライラしました。
まあ、格差社会に厳しい冬のアメリカを生き抜くには、人のやさしさやぬくもりが大切なんでしょう。生暖かい目でウォッチするのがいいのかもしれません。また、公助が少ないアメリカでは、弱者はとことんいたぶられ、日本のほうがまだましだという気もしちゃいました。
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