作品情報 2019年タイ映画 監督:ナワポン・タムロンラタナリット 出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン、アパシリ・チャンタラッサミー 上映時間:113分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2020年劇場鑑賞290本
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【ストーリー】
デザイナーのジーン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)はスウェーデンに留学した経験からシンプルなミニマルライフにはまり、ごちゃごちゃした実家をミニマルなオフィスに改造しようと決意する。
だが、思い出の品々を次々に捨てていくジーンに、母親(アパシリ・チャンタラッサミー)はびっくり仰天。さらに、留学を機に別れた元恋人エム(サニー・スワンメーターノン)の私物のカメラを見つけられず、そっと返しに行ったのだが…
【感想】
映画のなかでこんまりこと近藤麻理恵が、世界各地で断捨離を指導するニュース画像が流れて、タイ映画でも取り上げられるほど有名なんだ、とびっくりしました。また、ジーンが母親や兄のジェー(ティラワット・ゴーサワン)、エムすら押し切るような強さがあり、なんとなく男尊女卑が残っていると思っていたので、これまたびっくりです。
断捨離しているうちに、思い出の品がみつかってそれをどうするか。思い出に浸るのと、きっぱり捨てて前に進むのどちらがいいのか、ケースバイケースだと思います。ジーンも最初は片端から捨てようとしたけど、親友のピンク(パッチャー・キットチャイジャルーン)からのメッセージが入ったCDを捨てたところを彼女に見つかり、気がまずくなり、そこから、単純に捨てることがいいことかという迷いが始まります。
いらないものは捨てたほうがいいけれど、思い出のようなプライスレスのものはどうなのか。僕自身も子供のころの通信簿とか実家にあるので、ジーンの悩みに共感しました。一方で、だれもが過去に失敗や後悔があるわけで、物がそれに直接結びついている場合もあります。たかがもの、されどもの。先日みた「100日間のシンプルライフ」では気にならなかったのですが、本作ではすごく自分に置き換えてしまいました。
チュティモン・ジョンジャルーンスックジンは、バッド・ジーニアスの天才女子高生ぶりが印象に強いけど、本作では大人の女性という感じ。エムが意外と濃い顔をしていたので、ジーンとつきあっているときどんな雰囲気だろうと思ってしまいました。余韻というか、映画で描かれない部分も想像力を刺激する作品っていいですよね。また、タイの中産階級が結構、物をもっているというのも驚きです。このへんも認識を改めなければ。
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