作品情報 2019年フランス映画ドキュメンタリー 監督:パスカル・プリッソン 上映時間:84分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2020年劇場鑑賞292本
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【ストーリー、感想】
ケニアの小さな村に住むプリシラ・ステナイは94歳で現役の助産師として活躍している。子供のころは女の子は農作業優先で学校に行かせてもらえなかった。ところが、現代のひ孫娘も学校に行っていないことに気付いた彼女は、ひ孫たちと一緒に小学校に通うことを決める。ゴゴ(おばあちゃん)と呼ばれて、子供たちと仲良くなった彼女だが…
12月25日に鑑賞したのだけど、終了後、パリのブリッソン監督と、ケニアのゴゴさんをZOOMで結んでのティーチインが開かれました。現在、新型コロナウイルスで学校は休校中で、ゴゴさんは助産師活動をもっぱらしているそうです。監督によると、ゴゴさんの体力はすさまじく、毎日体操をするそうですが、スタッフよりも元気だそう。こういうバイタリティはみているだけでも、こちらに元気を与えてくれます。
さて、念願かなって学校に通うことになったゴゴですが、子供たちが元気にボール遊びをしているときは、さすがに一緒に加われません。また、目が悪くて文字もはっきりとみえなかったり、初めての英語にとまどったりします。
それでも、なんとしても卒業したいという意欲はすさまじい。また、休み時間はボール遊びの代わりに、子供たちにおとぎ話をしてあげたり、学校の近所に住むおばあちゃんディナと仲良くなったりとスクールライフをエンジョイしています。なにしろ、校長先生ですら、自分の孫みたいな年頃ですから、校長も担任も敬意をもって接します。また、子供たちも天真爛漫なゴゴのことが大好きで、ひ孫たちとも仲良しという何ともほほえましいかぎり。
すごかったのはケニアの学区が広いせいか、教室に隣接している掘っ立て小屋のような寄宿舎に、子供たちと一緒に暮らしていること。ゴゴは女子用の寄宿舎をもってきれいなものに建て替えるよう、校長に要望します。さらに、女の子が学校に通うことの大切さも訴え、やはり学校にいかなかったディナを学校に誘うほど。修学旅行も一緒にいって、子供たちと同じバンガローに寝泊りするのだから大変。また、修学旅行も野生のライオンとか象が闊歩する中、バスの旅をするのですから、なんともアフリカっぽい雄大さで、村の外にあまりでたことのないゴゴは本当に楽しんでいました。
それでも、年のせいか物覚えが今一つ。中でも英語は苦手のよう。さらに、テストのときは問題が見えないなどこの年で勉強するのは大変です。そんな山あり谷ありにぶつかりつつも、一生懸命生きる彼女の姿は、勉強や学校の大切さというのを教えてくれました。子供から大人まで多くの人に楽しんでもらいたい作品です。
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