2020年12月31日

夏、至るころ

 女優の池田エライザの初監督作品。丁寧に陰にこもる感じを受け、もっとはっちゃけたものを期待していたのに、小さくまとまった優等生という感じでした。

 作品情報 2020年日本映画 監督:池田エライザ 出演:倉悠貴、石内呂依、さいとうなり 上映時間:104分 評価★★★(五段階) 観賞場所:横浜シネマリン 2020年劇場鑑賞293本  



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 【ストーリー】
 福岡県田川市で伝統の和太鼓を幼いころからたたき続けた高3の翔(倉悠貴)と泰我(石内呂依)。だが受験に専念するために泰我が太鼓をやめると言い出し、翔は取り残されたような寂しさと不安を覚える。

 ある日、翔は祖父(リリー・フランキー)の使いで頼まれたペット屋で、マイペースな少女都(さいとうなり)と出会う。どことなく寂しげだが、謎めいた彼女にひかれていき…

 【感想】
 地方都市と組んだ「ぼくらのレシピ図鑑」シリーズの第2弾で、田川市のご当地映画です。そのため、田川市長がカメオで出演しているほか、夏祭りや田川の名物である煙突(炭坑節にもでてきた)2本が1本に見える場所が幸福の印といったローカライズされた言い伝えもでてきます。

 また、東京に一度もいったことのないという地方の男子高生の閉塞感をうまくだしています。このまま、うまくいっても地元の公務員で、親のようにだれかと結婚して、田川に住んで、子供を産んで、というのは、都会からすれば贅沢な人生設計ですが、若者にとっては、なんとも味気ない夢でしょう。

 そこで、都会から来たけどやはり夢敗れた少女、都を登場させることで、三者三様の思いをうまく交錯することができます。都会につかれた都にとっては、何もない田川はほっとできるし、ある意味、地方の純情な年下の少年たちというのも、自分を再生できるいい機会になったのでしょう。この3人のやりとりがなんともいえず、甘酸っぱい。ゲストででてくる教師役の高良健吾が、また、若者をうまく導く兄貴的役割をよくはたしており、こういうふうな青春があればよかったのになと思わせます。

 太鼓シーンも練習をしているうえ、町民の協力もありうまくはまっていました。主役2人とヒロインの3人はフレッシュですし、脇をリリーや原日出子といったベテランがしめているので、いい味になっています。ただ、こういうインディペンデント系で田舎町の青春というテーマはいろいろな作品があるわけですし、割ととんがった役柄が多い池田エライザが監督しているので、うーむという感じは否めませんでした。
posted by 映画好きパパ at 07:09 | Comment(0) | 2020年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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