作品情報 2020年日本映画アニメ 監督:廣田裕介 声の出演:窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔 上映時間:109分 評価★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ上大岡 2020年劇場鑑賞294本
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【ストーリー】
煙におおわれたえんとつ町で、煙突掃除人の少年ルビッチ(声・芦田愛菜)は父ブルーノ(立川志の輔)から聞いた、煙の上には星空があるという話を信じていた。だが、ブルーノは亡くなり、働かざるをえないルビッチは友人もおらず、さらに星空を信じていることでバカにされていた。
ある日、ゴミが集まってゴミ人間プぺル(窪田正孝)が現れる。彼の命を助けたことからルビッチと友達になり、一緒に星空を探しにいくことになる。だが、町の秩序を担う異端審問官たちが、行く手を阻み…
【感想】
お笑いに疎い僕は西野がどんな人かわかりませんし、原作の絵本も読んでいません。だから、映画内容だけで判断しますが、ストーリーが今一つピンとこない。えんとつから煙がもくもくと出て、星空が見えないという設定を受け入れたうえで、星空を信じる
人がバカにされるというのは、世の中の常識を破ろうとする人が批判される人間の性を表したのでしょう。しかし、異端審問官の役割がぱっとしません。
最初、怖い存在に思われていた異端審問官ですが、冒険をするうえで大した妨害にはなりません。だから、クライマックスでカタルシスを起こそうとしているのもわかりますが、それが大した感動にはならないのですよね。そもそも、星空を隠す理由についても、なんだかよくわからないというのか、長い年月の間に手段が目的になってしまったことを言いたいのかもしれないのだけど、異端審問官たちが必死に隠す理由がわかりません。まあ、文句をいうほどではないけど、感動を呼ぶほどでもないストーリーでしょうか。
しかし、4℃の作画はすさまじく、色彩の洪水ともいうべきカラーリングに架空のえんとつ町の世界観がよくマッチしています。まさに4℃しかだせないような味に、ただただみとれてしまいます。序盤のミュージカルめいたところから、一気に話に引き込まれました。このへんは作画、演出のすごさなのです。
さらに、芦田の声優としての力量もすごい。学業のためか、出演作品をセーブしていますけど、実写の「星の子」と本作と2作みれば、彼女の天才ぶりが引き続きあらわれているのがよくわかります。窪田は声だけ聴いてすぐに彼とわかるけれど、落ち着いた、ちょっと気弱な感じの声色で終始しており、プペルのキャラをきちんと出していました。脇役ではひっかきまわすキャラのスコップ役の藤森慎吾の饒舌さはさすがといった感じ。美術や声のすごさを楽しむだけでも歳忘れになるかもしれません。
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