青春ドラマ。挫折した経験がある人にはぐっとくるものがあるでしょう。
作品情報 2020年日本映画 監督:山田篤宏 出演:吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ 上映時間:119分 評価★★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2020年劇場鑑賞297本
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【ストーリー】
2015年、将棋棋士とAIとの初対決が行われることになった。棋士代表は若手のホープ、浅川七段(若葉竜也)。最強のAI、AWAKEの開発者、清田英一(吉沢亮)は、もと将棋の奨励会員で、同期の浅川にかなわず、将棋をあきらめた過去があった。
青春をすべてをかけたプロ棋士になる夢を失った清田は、大学生になっても生きる目的を失っていた。しかし、父の英作(中村まこと)がやっていたAI将棋の実力に驚いた清田は、自らも将棋AIを開発しようと、プログラムの素人にもかかわらず、大学のAI研究会に乗り込む。そこで、変人プログラマーの磯野(落合モトキ)にプログラムの基礎を学んだ清田は、最強のAI将棋にのめりこむ。
【感想】
将棋の奨励化を舞台にした映画は何本かみていますが、まだ年端もいかない子供も含めて、全国から将棋の添菜が集められ、それにもかかわらずプロになれるのはごくごくわずかという超厳しい世界。僕なんかとても恐ろしくて近づけません。しかし、清田はそこに青春の全てをかけていました。恋も友情も関係なく、ただただ将棋の毎日。
しかし、現実は冷酷です。同期の浅川に、自分が最良だと思った手で敗れた清田は、抜け殻のようになってしまいます。しかし、将棋AIと出会ったことで、再び夢をいだくようになります。また、最初はプログラムの素人と馬鹿にしていた磯野も、清田の夢をしって応援するようになります。このあたりは胸があつくなります。
清田がプロを破るソフトが作れるのかは、映画をみてほしいのですけど、浅川も人間代表として、周囲からAIに負けてはいけないという無言のプレッシャーをうけつづけます。ポーカーフェイスの浅川ですが、内心は人間の棋士がAIに負けてはいけないという信念を持つとともに、AIの強さも知っており心が揺れます。この浅川の人間らしさが物語を奥深くしています。
2人を取り巻く人間関係もいい。ただ、男ばかりではと思ったのか、馬場ふみかが清田を応援する女性として起用されていますが、せっかくだったらもうちょっと上映時間を長くして彼女のエピソードをもう少し盛り込めばいいのにとも思いました。
それにしても吉沢亮は2枚目なのに陰キャの役がよくはまりますよね。また、若葉の演技の良さは、雰囲気からいってポスト新井浩文にもなるのかなとも思ってしまいました。いわゆるスターはいないけれど、なかなか渋い配役でした。
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