【ストーリー】
東京の大病院の救急救命医、紅野真空(高畑充希)は難病の多発性筋炎にかかり病院をやめさせられる。偶然知り合った虹ノ村職員の霧ケ谷(光石研)から、村で医師を募集していることを知り、病気を隠して応募、採用される。
村の診療所には変人の院長、浅黄朔(井浦新)と彼に振り回される看護師の蒼山太陽(北村匠海)がいた。村人たちに歓迎される紅野だが病気のことはいいだせずに心苦しく思う。やがて嵐の日に住民の白倉(モト冬樹)が事故に遭い、停電の中診療をしなければならなくなったのだが…
ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください

にほんブログ村
【感想】
高畑充希の顔つきががらっと変わったのが第一印象でした。医師役ははじめてということで、いかにも救急救命医というハードな職場は、これまでどちらかというとのほほんとした役柄が多かった彼女にとっては挑戦でしょう。そして、冒頭の大病院のERの様子はつかみが十分。
一方で虹ノ村はそこと真逆ののんびりとした田舎です。自然豊かで住民たちはおせっかいだけど、いまのところ良い人ばかり。よく、田舎にいった医師が地元となじまずトラブルになるなんてニュースをききますが、そんなぎすぎすした感じはありません。病気で心身ともにダメージを受けた真空が、自分を取り戻せる場所というイメージ通りです。
さらに、井浦がいかにもという感じの変人ぶり。彼も厳しい役と、天然ぽい役の両方をこなせますが、こちらはのんびりした後者の役柄で、まじめで気が短い太陽とはよいコンビ。そこへ真空がくわわったチームが、これからどんなふうになっていくのか目が離せません。
村人役も泉谷しげる、水野美紀、安達祐実、西田尚美とこれまた通好みの俳優をキャストしています。単純に良い話では終わらないだろうと思わせつつ、深川栄洋の牧歌的な風景にみせかけるような演出、岡田恵和のヒューマニズムあふれる脚本で、実はあざということはしないのかとも思ったりします。
医療ドラマというと大病院の名医が難病相手に活躍したり、派閥や病院経営の話になる場合が多いですけれど、本作はそういうのもなさそうだし、まったりとみられます。★★★★