2021年02月06日

恋の罪

 問題作を連発する鬼才・園子温監督の最新作。過激なヌード描写が話題になっているけど、今ひとつピンときませんでした。

 【ストーリー】
 警視庁渋谷西署の刑事、和子(水野美紀)は不倫の最中に事件発生の呼び出しを受ける。円山町の廃墟のようなアパートで、猟奇的な女性の遺体が発見されたのだ。女性の遺体は胴体だけで陰部は切り取られていた。

 和子は最近行方不明になった女性のなかに被害者がいると考える。行方不明者リストには、有名な作家(津田寛治)の貞淑な若妻いずみ(神楽坂恵)、大学のエリート助教授美津子(冨樫真)が含まれていた。





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 【感想】
 1997年に起きた東電OL殺人事件にインスパイアされた作品。昼と夜で別の顔を持つところを参考にした美津子が直接的には東電の被害者をモデルにしたといえるけど、あとのいずみも、和子も家族にみせるのとは別の顔をもっている。3人のなかで、美津子が、まさに歪んだ性愛に溺れていき、その背景もみせ、何より冨樫自身の好演で見せているのに対して、あとの二人のエピソードが今ひとつつまらない。ちょっと頭で考えたというか、類型的に受け止められてしまうのだ。

 特に神楽坂は前作の冷たい熱帯魚では、強烈な役者がそろっていたため、気にならなかったものの、実質的な主役といえる本作では、ちょと演技力が足りないように見受けられた。あるいは足りない女性を演じているだけなのかもしれないが、それだといずみの特殊性に話が収斂されてしまう。神楽坂は園監督と結婚したけど、それでこういう作品にでられたのかな、と邪推もしてしまう。

 しかし、3人はみんなヌードになり、特に神楽坂は、園監督は自分の奥さんによくこれだけ脱がせるなと思わせるほどのはじけっぷり。巨大な胸はグロテスクにすらみえてきました。一方、踊る大捜査線で華麗な演技をみせた水野だけど、事務所独立騒動のあとは今ひとつぱっとしない。本作でもきれいにぬいでいて、37歳とは思えない美しさとはいえ、脱ぐ場面が違っているのではとちょっとがっかりしました。

 それより、インパクトが強かったのが美津子の母役の大方斐紗子。彼女と美津子のシーンは、独特の亜空間を作っており、その演技合戦のほうがヌードよりよほど面白かった。それにしても、この映画に登場する女はそれぞれ強烈なのに、男たちはクズか弱虫か。実社会もこんなもんなんでしょうかね。採点は6(TOHOシネマズららぽーと横浜)
posted by 映画好きパパ at 23:40 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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