2021年02月06日

指輪をはめたい

 記憶喪失でだれが好きだったかも忘れてしまうというパターンの映画は時折あるけれど、ここまで美人ぞろいというのは珍しいかも。笑わせてほろっと泣けるラブコメなんですが、テンポが今ひとつ合わなかったかな。

 【ストーリー】
 製薬会社の営業マン輝彦(山田孝之)はスケートリンクで転倒して頭をうち、一時的な記憶喪失に。カバンのなかには指輪が入っており、どうもだれかにプロポーズをしようとしていたらしい。

 ところが、輝彦の周りには3人の美女がいた。会社の先輩で才女の智恵(小西真奈美)、行きつけの風俗嬢めぐみ(真木よう子)、公園で人形劇をしている天然の和歌子(池脇千鶴)。なんと輝彦は三股をかけていたらしい。だれと結婚したかったのか。輝彦はスケートリンクで知り合った不思議な少女エミ(二階堂ふみ)に相談しながら、真実の愛をさがしていく。





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 【感想】
 コメディの相性は人それぞれだけど、僕はテンポの良い作品が好みなので、冒頭、病院で輝彦が目覚めてからのシークエンスからひっかかってしまった。意味不明なシュールな場面もあるし、作り手がいっちゃってる感じがちょっとあった。

 その後、3人の女性との生活を成り立たせようとしてから、話は盛り上がってくる。実際、3人の女性とどうやってかち合わないように付き合えるのか、映画の中とはいえ、輝彦の努力ぶりと絶倫ぶりにはびっくり。それ以上に驚いたのが、ギャグシーンが中盤からほとんど消え、輝彦が真実の愛を探すための物語に変わっていくのだ。岩田ゆき監督が女性だけに、そこらへんの目配りはきいていたのかもしれない。また、女性をひどい目に合わせるのも女性監督だからできるのかも。

 また、3人+1の女性の描き方もくっきり。才女、飾らない、癒やし系という3タイプは、それぞれ、きっちりしすぎて息が詰まる、だらしない、天然という短所と裏腹であり、3女優のコミカルな演技もあいまって、なるほど、これは、と納得させられた。また、二階堂の透明感あふれる演技もいい。そして、この4人の演技が、ラストのそれぞれにしっかりとつながっていくのだ。

 個人的には真木のさばさばしたコミカルな演技がみられたのはうれしかった。最近、どうしてもツンデレ、男まさりという役が多かっただけに、たまにはこういう役もいいと思う。もっとも儲け役は二階堂ふみで、ベネチア映画祭の新人賞などとった注目株。来年ブレイクするかも。採点は6・5(チネチッタ川崎)
posted by 映画好きパパ at 23:45 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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