2021年02月07日

コンテイジョン

 未知の伝染病が流行した場合、世界がどうなるかを冷静にシュミレーションした作品。スティーブン・ソダーバーク監督らしく、豪華キャストなのに大げさなシーンはなく、疫病が拡大し社会が混乱する様子を抑制したタッチで描いています。

 【ストーリー】
 ミネアポリスのビジネスウーマン、ベス(グウィネス・パルトロー)が香港出張から帰宅した翌日、咳と高熱を発して救急車で病院に運ばれた。夫のミッチ(マット・デイモン)がつきそうが、病院に到着してすぐにベスは死んでしまう。

 ベスの遺体から採取されたウイルスは未知のウイルスだった。CDC(米国疾病予防管理センター)のエリス医師(ローレンス・フィッシュバーン)は、部下のエリン(ケイト・ウィンスレット)をミネアポリスに派遣し、調査させる。香港、東京でも病気が広まっており、CDCと連携するWHO(世界保健機関)のレオノーラ医師(マリオン・コティヤール)は香港でベスの足取りを探る。

 一方、ネットジャーナリストのアラン(ジュード・ロウ)は、未知の病気が流行していることを自分のブログでスクープ。しかし、彼はそのことを金儲けに利用しようと考える。





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 【感想】
 1918年に流行したスペイン風邪は世界中で5000万人の死者を出した。それから100年近くたち、グローバル化で世界中の交流が進む中、新たな病気が出現したらどうなるか。近年でも豚インフルエンザ騒動があったけど、大々的な感染がいつ起きても不思議はない。

 こうしたテーマは、これまでも「アウトブレイク」「感染列島」などがあったが、本作はソダーバーグ監督お得意の群像劇で、大活躍するヒーローというのはいない。一市民でしかないミッチは、残された家族が感染しないようおろおろするだけだし、必死にワクチンを作ろうとする医師たちも、失敗の連続だ。むしろ、通常の映画ならまっさきに天罰が下るような悪徳キャラ、アランですら良心との葛藤がある。人間は善も悪も、成功も失敗もするという当たり前の事実を積み重ねていく。

 あまりに淡々とした描写のうえ、ストーリー展開が早く(何しろグウィネスは映画冒頭10分で死んでしまう!)、最初は何がなんだかよくわからないのだが、困難に陥ったときの人間の選択というのがさりげない描写で描かれ、これが感動的。アウトブレイクが一種の冒険活劇で、感染列島が無理やりな泣かせに走っているのに比べると、娯楽性がない分、深みがある作品といっていいだろうか。それぞれの登場人物が、なぜこのような行動をとったのか、理解、共感、反感、いずれも納得がいく行動をしている。そして、だからかそ考えさせられ深い感動を呼ぶのだ。

 なかでも面白かったのが、アランをめぐる一幕。彼は病気をスクープしたことで、病気の専門家とみなされるのだが、効果のない薬を特効薬と紹介して、大儲けする。ネット社会で情報が溢れかえる中、偽情報に簡単にひっかかる大衆とそれを利用するものがいる構図は、今回の東日本大震災でもあったし、いつまでたってもなくならないのだろう。いざ大感染症が起きた場合に備えて、本作をみておくのもいいかもしれない。採点は7(TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
posted by 映画好きパパ at 20:42 | Comment(0) | 2011年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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