ハリウッド的にいろいろ詰め込まれた作品。悪くはないのだけど、いろんな映画のいいとこどりをしている気がしました。
【ストーリー】
ロボット技術の発達で、格闘技がロボット同士が戦うものに変わった近未来。元ボクサーのチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は、おんぼろロボットで地方を回り、賭けボクシングをするが、負けてばかり。借金におわれ、亡き父の跡をついでボクシングジムの社長になったベイリー(エヴァンジェリン・リリー)にもあきれられている。
チャーリーの元カノが死に、生き別れとなった幼い息子マックス(ダコタ・ゴヨ)を夏休みの間、引き取ることになったが、夏休みの間、2人は衝突ばかり。しかし、マックスが廃品処理場で見つけたオンボロロボットに「アトム」と名付けて、ロボットボクシングで活躍させようと苦闘する姿をみているうちに、いつしかチャーリーも忘れていた情熱を思い出す。
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【感想】
予告編でほとんどすべてが想像できてしまう。過去の栄光にすがり、やさぐれた中年男、生意気だけど心の底では父親が大好きな少年、男まさりで主人公のことをやさしくみまもる美人、と登場人物も類型的。けれども、あまりにも王道を行くストーリーは、見ていて心地よさもある。子役の演技のうまさや、ヒュー・ジャックマンの情けない演技が意外にはまっていたこともあるが、やはり、こういう時代だからこそ、失われた親子の絆を取り戻すという話は人気がでそうだ。
最初は負けてばかりのロボットボクシングも、マックスとアトムのトレーニングをみているうちに、かつての名ボクサーの血が騒ぎ出すシーンは、あしたのジョーをはじめとするスポコンの王道。さらに、最初は負けそうなのが思いもかけないパワーを発揮し、その後もとんとん拍子で勝っていき、ついには、巨大な敵に対戦するというのも少年ジャンプの漫画にありそうだけど、テンポの良さもあり、にんまりしてしまう。
そして、ロボットボクシングの迫力ある映像。人間ではとてもできない、機械同士のぶつかりあいは、リングという限られた空間で繰り広げられるので、トランスフォーマーとは違ったロボットバトルを楽しめる。相手の天才プログラマーが日本風だったり、最初に出てきたマックスとチャーリーのロボットが、日本語の音声認識に対応していたり、なにより、主役ロボットの名前がアトムだったり、と日本へのオマージュが散りばめられているのも面白かった。
しかし、何といっても名作ボクシング映画ロッキーの影響を強く受けているのにはわらってしまった。トレーニングシーンにモンタージュを使うところなど、完全なオマージュだろうし。まあ、手堅いエンタメということで、ファミリーやデートにもおすすめの作品かも。採点は7(TOHOシネマズ渋谷)
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