今回から2010年に見た映画、DVDの感想です。
僕の好きな熊澤尚人監督(「虹の女神」「お・と・な・り」)の30分ほどの短編映画。もっと膨らまして、せめて1時間ぐらいにしてほしい気がしたけれど、高校時代特有の甘酸っぱさは良く出た作品でした。
【ストーリー】
高校生の陽介(石田卓也)は、屋上で雨にうたれている同級生、透花(藤井美菜)と出会った。透花については、死んだ教師の紀野(真島秀和)とつきあっていたといううわさが流れているが、何度か話しているうちに彼女の純粋な思いに心をうたれる。そして、特別な日に彼女のために雨をふらせてやりたいと思う。
【感想】
いまどきの高校生がこんなに純粋かはしらないけれど、大人からみたら、こういうまっすぐな気持ちで人を好きになれるなって、すごくうらやましい。また、音楽も重要な要素をしめており、この映画のために選ばれたKUMAMIの曲、そして透花の踊りは、熊澤監督ならではの、静的で光の使い方も考え抜いた美しい描写。
また、高校でロケをして、主要登場人物のほかは、実際の高校生を使っていることもあり、学園を舞台とした作品にありがちな、映画映画臭ではなく、あたかも自分がその場にいて、陽介も透花も知人のような気持ちにさせてくれるナチュラルさがいい。
藤井美菜は「シムソンズ」にも出ているけど、整った容姿、たたずまいからいって、もっとスクリーンでみてみたい女優。ちょっとブレイクしそこねている気がするのはもったいない。石田卓也はやっぱうまいですね。
ただ、きれいすぎてしまって、心にひっかかるところがちょっと少ないような気がする。非常に落ち着いて物静かな映画なので、レンタルでさっと借りるよりは、何度もじっくりとみたほうが良いのかな。採点は6.5
2021年02月07日
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