【ストーリー】
高校卒業間際の芳山あかり(仲里依紗)は、大学の研究者の母・和子(安田成美)と2人で暮らしている。和子が事故に遭い、意識不明の重体に。看病しているあかりの前で一瞬意識を戻した和子は、過去に戻れるタイムリープの薬を発明したことと、1972年4月の中学校の理科実験室に行って、深町という同級生にあるメッセージを伝えるよう頼み、再び意識をなくす。
半信半疑だったあかりが薬を飲むと、本当に過去の世界に。だが、あかりは1974年と勘違いして飛んでしまい、中学校には深町という生徒はいなかった。74年の世界で知り合った映画監督志望の学生、涼太(中尾明慶)に協力してもらい、まだ高校生の深町や和子を探しはじめるのだが。
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【感想】
予告編と序盤で、ストーリーの8割が分かってしまう、オーソドックスというとかひねりのない脚本で、映像自体もそれほど凝っていないのだけど、仲をはじめとする出演者の好演もあり、さわやかで切ない青春映画に仕上がっていた。大林版は子供のころみたはずだけど、ほとんど記憶にないが、見てなくても十分楽しめる。大林版のヒロイン、原田知世でなく、安田成美が和子役でも、若すぎるかな?と思ったが、役自体にはとけ込んでいたと思う。アニメ版とは設定が違うので、別物としてみた方がいい。
予告編でもあるが、タイムリープしたときに、あかりが写メをみせて、「これが2010年の技術よ」と自慢したり、「こんな美少女が」と自分でニヤニヤしながらいっているのは、ブサカワイイ仲だからできるコメディエンヌぶり。これが本当に美人の女優だったら嫌みに感じられてしまう。銭湯で風呂上がりにマッサージ機を受けていた姿は、とても若手女優にみえず、どっかのおばさんにみえたほどのはまりぶり。けれども、ときおり、別人に見えるような美少女ぶりを発揮するのはさすが。ラストシーンなどは、本当に本人かとまじまじみてしまうほど、美しかった(失礼)
一方の中尾も昭和顔ぽさがはまっていて、恋愛に遅手な当時の青年の純情さをうまくだしていたし、高校時代の和子役の石橋杏奈をはじめ、74年の登場人物たちは、リアルに懐かしいあのころに生きていたという気持ちにさせる。
ただ、ジュブナイル小説(今風にいえばラノベ?)が原作といえ、ストーリーにもうちょっと深みがほしかったかな。また、せっかくなら、オープニングではなく、エンディングテーマを「時をかける少女」にしてほしかった。採点は7(渋谷ヒューマントラストシネマ)